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カラフルな色も備えていた

カラフルな色も備えていた

どうやらこの翼竜の羽毛には、カラフルな色が存在した可能性があるようです。

羽毛の化石を電子顕微鏡で調べたところ、軟組織中に長さ約0.5〜1μmの微小体が大量に発見されました。

これは、毛の色を決めるメラニン色素を保持する細胞小器官「メラノソーム」であると結論されています。

具体的にどんな色をしていたかは不明ですが、場所ごとに大きさや形状が違うことから、多様な色を表現していたと推測されます。

翼竜には「カラフルな羽毛」があった!? 化石から証拠を発見!
(画像=軟組織に見つかった「メラノソーム」 / Credit: Aude Cincotta et al., Nature(2022),『ナゾロジー』より 引用)

研究の共著者で、英ブリストル大学(University of Bristol)の古生物学者マイケル・ベントン(Michael Benton)氏は「頭頂部の目立つ部分に多様な色を備えていたことから、仲間とのコミュニケーションや異性の注意を引くために使われていたのでしょう」と指摘します。

今日の鳥類は、そのカラフルなディスプレイでもって求愛や威嚇を行いますが、古代の翼竜も似たようなことをしていたのかもしれません。

まだ最初の発見報告のため、研究者が述べる通りに論争の終止符となるかはわかりませんが、非常に興味深い新事実です。


参考文献

Groundbreaking Study Confirms Pterosaurs Really Did Have Feathers – And That’s Not All

Pterosaur discovery solves ancient feather mystery

元論文

Pterosaur melanosomes support signalling functions for early feathers


提供元・ナゾロジー

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