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数学を用いた錯覚
89歳になったペンローズ氏の現在

数学を用いた錯覚

ノーベル賞受賞者の”基本に立ち返る考え方”とは?数学のテストが苦手だった少年が「ブラックホールを証明する」科学者になれる
(画像=ペンローズの階段とペンローズの三角形は数学を元に設計された / Credit:wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

ブラックホールに興味がない人でも、ペンローズ氏の考案した錯覚ならば知っているという人もいるでしょう。

ペンローズ氏は1950年代に、数学を使って現実には不可能な絵を描こうとしました。

ペンローズ氏は道路や階段といった現実世界の構造の本質を、じっくりと時間をかけて単純化し、もう一度最初から組み立ててみました。

そうしてできあがったのがナゾロジーのロゴにもなっている「ペンローズの三角形」と数多くの芸術作品に影響を与えることになる「ペンローズの階段」でした。

89歳になったペンローズ氏の現在

ノーベル賞受賞者の”基本に立ち返る考え方”とは?数学のテストが苦手だった少年が「ブラックホールを証明する」科学者になれる
(画像=89歳になったロジャー・ペンローズ卿 / Credit:BBC、『ナゾロジー』より引用)

ペンローズ氏はこれまでの人生で既に多くの賞を受賞し、数えきれないほど科学に貢献してきました。

そんなペンローズ氏にとって、ノーベル物理学賞の栄誉が与えられるのは、時間の問題だったのかもしれません。

今年で89歳になるペンローズ氏は、2020年現在でも衰えをみせません。

生物学と量子論を融合させた量子生物学など幅広い最新科学の分野において、常に新しいアイディアを出し続けています。

基本からじっくりと考えることは、テストでいい点数をとるには向かないかもしれませんが、人類の科学を前進させるために、一番必要な素養なのかもしれませんね。


参考文献

BBC


提供元・ナゾロジー

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