軽自動車は、世界でも類のない規格で生産されていることは有名です。しかし、世界にはそれよりも小さなクルマが存在し、販売されています。ここでは、ギネスに認定されている小さなクルマを紹介します。

Chapter
世はダウンサイジング…世界最小のクルマとは?
世界最小のクルマ、「ピール P50」

世はダウンサイジング…世界最小のクルマとは?

21世紀に入り、クルマの性能を測る物差しとして環境性能が重んじられるようになり、そのソリューションのひとつの方向性として”ダウンサイジング”が盛んになりました。

いわずもがな、これは排気量を思い切って縮小しながらも、高効率の過給などで出力を確保する手法です。現在ではすっかり定着し、1.0L以下の普通車も増えています。また日本ではダウンサイジングの先駆けともいうべき、660ccの軽自動車が大きな存在感と人気を誇っています。

そんなダウンサイジングが定着した昨今ですが、気になるのは究極のダウンサイジング、つまり世界最小のクルマです。いったい、どんなモデルなのでしょうか?

世界最小のクルマ、「ピール P50」

全長、全幅、全高わずか1メートル!? 世界最小の車「ピール P50」とは?
(画像=『CarMe』より 引用)

現在、世界最小とされるクルマは、イギリスのマン島に本拠を構えるによって製造されていたマイクロカー「ピール P50 」です。

1962年から1965年に製造されたP50のスペックが素敵です。

サイズ:全長1,340mm×全幅990mm×全高1,000mm 
エンジン:49cc 空冷2ストロークエンジン(モペット用)
最高出力:4.2ps
車両重量:56kg
乗員:1名

すべてにおいてミニマムなスペック。特筆すべきはグラスファイバー製ボディで、約1mの立方体とでもいうような佇まい。大きな窓にはワイパーが1本で、ボディ先端に付いた1灯式ヘッドライトともに、なんとも愛らしい雰囲気です。

最高速は、約61km/hとのことですから、スクーターのように気軽に街乗りに使用できるクルマだったといえますね。とはいえ、このサイズと小径タイヤですから、30km/hも出せば心理的なリミッターが働くのは想像に難くありませんね。

ちなみに、2013年のオークションに出品されたオリジナルのピール P50(1964年)の落札価格は12万ドル以上だったそうです。