マダイのアシストフック
例えば、マダイは良くジグを追いますが、捕食行動は青物には遠く及びません。春先のイワシの群れに付く魚の群れの中では上層に青物が付くと、マダイはその下に群れを形成して青物が取りこぼしたベイトを待ち構えることもあります。このように魚同士でも、得意、不得意で棲み分けやレンジ分けをしたり、行動が違ってきます。
マダイは顎の構造が強靭で、夏場は身が入ったウニやフジツボなどをガツガツと噛み砕いて捕食しますが、春はウニに身が入ってないのか?ベイトはイワシなどの小魚を追うことが多いです。雑食で、より生息環境に順応する魚ですが、小魚の捕食は苦手。ジグで釣る時も、スローただ巻きが1番効果的なのは、こうしたマダイの生態が理由だと思います。
そのくせ貪欲な魚ですので、ジグを何度も噛み直します。
顎周りの骨も硬いので、私はアシストフックは小型のハリで前後シングルフックで釣ることが多いです。ライトラインでも、小型のフックなら良く貫通して、カンヌキに掛かりバラシを軽減、ダブルフックだと、フッキングパワーが分散して浅掛かりとなってバレが多くなるのを避けるためです。このように、ターゲットの特性、捕食行動のクセからジグ操作を考えれば、自ずとアシストフックもどんなものが必要か?見えてくることが多いと思います。
魚ごとのアシストフック作成
最初は手探りのアシストフック自作でも、自分の感じた、その魚の印象で工夫を重ねたり、不具合をなくしていく工程を重ねると完成度が高まります。
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ハリ絡みなどのトラブルがなく、魚が良く掛かり、掛かった魚がバレない、といった基本性能が高いアシストフックを目指して作製するには、魚の生態、特性を学び、理解して、釣り方を合わせていくことにアシストフックも合わせていくのが一番です。
部材選択
魚によっては、鋭い歯があるものもいます。サワラ、タチウオ、クロムツ、バラムツなどはアシストラインの材質にも気を使わなければなりません。
ワイヤー素材、ザイロンなど、鋭い歯でも使えるラインを選択してください。
強度の確保
さまざまなアシストフックの作製ポイントをクリアーしても、肝心のアシストフックの強度がなくてはどうにもなりません。
メインライン、リーダー、接続金具、アシストフックは、魚とアングラーを繋ぐシステムとしての強度の中で、少なくてもメインラインの強度よりは高く、なおかつ、魚との接触で直線的なパワー以外にも変則的な方向にパワーが掛かることもありますので、充分に余裕を持った強度が必要になります。
必要なら、自作した完成品のアシストフックをハカリに掛けて破断するまでパワーをかけてみることも大切だと思います。
<堀籠賢志/TSURINEWSライター>
提供元・TSURINEWS
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