【紙の本 vs 電子書籍】それぞれのコスト比較

【紙の本 vs 電子書籍 vs 両方】読書するならどのスタイル?
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

次に、コストの観点から紙の本と電子書籍について詳しく解説します。

電子書籍用のデバイスの価格

まず、電子書籍を楽しむためには、何らかのデバイスが必要です。電子書籍専用デバイスもありますが、PCやタブレット、スマートフォンなどでも読書を楽しむことができます。

電子書籍専用デバイスは、5,000~4万円と価格帯が幅広いです。この価格差は、画面の大きさやメモを書き込める機能の有無、画面の質感などによって生まれています。イメージとして、紙の本の読書体験に近づけば近づくほど高額になると考えていただくといいでしょう。

ただ、お手持ちのスマートフォンなどでも電子書籍を読むことはできますので、試しにスマートフォンで一冊読んでみて、「画面サイズや読書体験に不満があれば専用デバイスを検討する」ぐらいでもいいかもしれません。

同じ書籍のコスト差は?

同じ書籍を購入する場合は、電子書籍のほうが数百円程度安いものがほとんどです。これに加えて電子書籍は、利用するプラットフォームによってさまざまなキャンペーンやプランがあります。月額を支払うことで読み放題(※)になったり、期間限定で書籍の価格が安くなったりと、お得に読書を楽しむことができます。こうした観点から、多読の方は電子書籍を効果的に使うことで書籍代の節約を実現できるはずです。

ただし、一度買った電子書籍は売ることができませんので、古本屋を利用したい方や、定期的に本の冊数を整理したい方にはあまり向いていないかもしれません。価格差のみで比べるより、ふだんの読書量や書籍との向き合い方などを鑑みて選ぶと良いでしょう。

(※)多くの場合、ライブラリに保持できる冊数が限定されていたり、利用できる書籍が限定的だったりといった制限はあります。

【紙の本 vs 電子書籍 vs 両方】それぞれの魅力を読書家さんに聞いてみた

最後に、それぞれの方法を選んで読書を楽しんでいる読書家の皆さんから得た、紙の本と電子書籍、それぞれの良いところを紹介します。具体的なケースをもとに書いていますので、ぜひ自分の生活と重ねながら想像してみてください。

電子書籍派の読書家さん「本の量と届く時間を気にしないのが最大の魅力」

【紙の本 vs 電子書籍 vs 両方】読書するならどのスタイル?
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

電子書籍を楽しむ方の多くが挙げていたメリットは、本の量を気にせずに済むことです。どんなに読んでも本棚はスッキリ。積ん読中の本が部屋を圧迫することもない。これは、多読の方にとって大きなメリットですね。所持する冊数が増えがちなマンガ好きの読書家さんも、こうした理由から電子書籍派の方が多いようです。

また、読むまで時間がかからないことをメリットに挙げた方もいました。紙の書籍の場合、本をオンラインで購入して届くまでの時間や、本屋で探す手間があります。「読みたい」と思ったその瞬間に読めるのは、電子書籍ならではの魅力です。

生活スタイルについて、通勤・通学中に読書する方は電子書籍のほうがおすすめです。雨の日でも本が濡れる心配をせず、長編でもかさばらない電子書籍は、移動中の読書に適しています。

紙の本派の読書家さん「ページをめくるのも読書の楽しみ、本棚は人生の宝箱」

【紙の本 vs 電子書籍 vs 両方】読書するならどのスタイル?
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

一方、紙で読むのが好きと答えてくださった方が挙げたのは、書籍の装丁や紙の手触りなども含めた読書体験の魅力です。内容だけでなくページの余白なども含めてひとつの作品と捉えるならば、やはり紙の本が欲しいですね。

また、自分が選んできた本を並べた「本棚が好き」という意見も多く集まりました。その本棚を家族や大切な人と共有し、互いの価値観を共有できるのも本ならではの喜びです。子どもが興味をもてるよう本棚を共有スペースに設置しているという親御さんもいました。

両刀使いの読書家さん「仕事用は電子書籍、趣味は紙で使い分け」

紙の本と電子書籍いずれも購入する読書家さんは、それぞれのメリットと自分のライフスタイルを考えて使い分けているそうです。

例えば、仕事の参考書籍は、すぐ読める電子書籍で購入したほうが効率的です。また、オンラインで購入することで経費計上が簡略化できるという利点を挙げた方もいました。

一方、休日に楽しむ文学作品や価値観を拡げるための書籍は、あえて紙で買って本棚へ。目的を決めず本屋を歩きながら一期一会の本を探すのも、電子書籍ライブラリではなかなか味わえない時間です。

どちらかにこだわることなく、自分のニーズに合わせて柔軟に使い分けると、より読書時間を楽しめるようになるかもしれません。

自分に合った読書スタイルを考えよう

電子書籍が普及したことで、読書体験はより柔軟なものへと進化しつつあります。「紙か、電子書籍か」の二択ではなく、それぞれの魅力をうまく活かしたハイブリッドな読書をしていくと、今までよりもさらに読書の時間が楽しめるようになるかもしれません。

今回紹介した紙の本と電子書籍の特徴を参考に、自分の生活に合わせた読書スタイルを計画してみてください。

(執筆:宿木雪樹 編集:少年B)

提供元・Workship MAGAZINE

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