“セカスト”が若者の間で定着 フリマアプリとも共存

リユース市場を牽引するセカンドストリート コロナ禍でもリアル店舗が絶好調な納得の理由とは
(画像=セカンドストリート原宿店、『DCSオンライン』より 引用)

 もう一つ、今泉氏が好調の要因として挙げるのが、リユースをめぐる消費マインドの変化だ。

 「数年前からのSDGs(持続可能な開発目標)のトレンドもあり、ものを大事にし、賢く消費する意識が高まったと感じる。特に若い世代を中心に、リユースに対して抵抗感を持たない人が増えている」(同)

 InstagramやYouTube上では“セカスト”の愛称とともに、セカンドストリートで購入したファッションアイテムを紹介する投稿が広くシェアされている。「掘出し物のアイテムを見つける」「高額アイテムをリーズナブルに手に入れる」手段として、若者の間ではリユースがクールな消費行動として定着しつつあるのだ。

 リユースといえば、フリマアプリなどの個人間取引(CtoC)市場も、このコロナ禍で大きく拡大した。この動きを今泉氏はどうみているのか。

 「フリマアプリが登場した当初は、リユース市場における競合として意識していた。しかし、結果として当社のビジネスに大きな影響はなく、むしろフリマアプリが若者を中心にリユースの裾野を広げてくれた」(同)

 フリマアプリには売り手が自ら価格設定し販売できるメリットはあるが、写真撮影や梱包など出品には手間がかかる。その点、セカンドストリートのようなリアル店舗なら、アイテムを箱に詰めてそのまま持参し、その場で買い取ってもらえる利便性がある。双方にメリット・デメリットがあり、消費者がうまく使い分けている、というのが今泉氏の見立てだ。