実家暮らしや賃貸マンション生活から、いよいよマンション購入となったとき、立地や予算と並んで気になるのがその間取りです。住む人の暮らし方や年代、家族構成などによって選び方が大きく違ってくる、間取りの種類や特徴を紹介します。

目次
マンションの間取り図の正しい見方
 ・方角・明るさは問題ないか
 ・広さは十分か
 ・生活動線は確保できるか
 ・収納は十分か
 ・扉が開く方向をチェック
 ・生活音は気にならないか
 ・室外からの目線は大丈夫か
 ・屋外空間の広さ
間取り図の略語の意味
 ・LDKとDKの違い
 ・1Rと1Kの違い

マンションの間取り図の正しい見方

マンションの間取りの選び方〜種類や特徴を紹介
(画像=『RENOSYマガジン』より引用)

賃貸にしろ購入にしろ、物件を検討する際に必ず見るのが間取り図です。間取り図には、住みやすさにつながる様々な情報が詰め込まれています。そこで今回は、間取り図を見る際にチェックしておくべきポイントについて解説します。

方角・明るさは問題ないか

忘れがちですが、方角も実は非常に重要です。例えば、東向きに窓が向いている部屋の場合、比較的家賃が抑えられているケースが多いです。これは昼以降に日差しが入りづらくなることが原因の一つです。

しかし、日中家にいない会社員の方などはむしろ朝日が入る東向きの部屋はメリットになります。このように自身の生活リズムに合わせて東西南北の向きを決めると良いでしょう。

メリットデメリット
東向き・朝日が差し込む
・家賃が比較的安い
・日中の日差しが入りづらいので冬は寒い
西向き・日中に日が差し冬は暖かい・日中の日差しで夏は暑い
南向き・日中の日差しが差し込むので明るい・日中の日差しで夏は暑い
・人気なので家賃が高い
北向き・日差しが入りづらいので涼しい
・家賃が比較的安い
・日中の日差しが入りづらいので冬は寒い

広さは快適な生活にとても重要な要素の一つです。しかし、どの程度の広さを目安に戸建てやマンションを探せばよいのでしょうか。国土交通省が出している 住生活基本計画 では、世帯人数別で生活に必要であろう広さを以下のように定めています。

広さは十分か

 単身二人三人四人
戸建て(理想)55㎡75㎡100㎡125㎡
マンション(理想)45㎡55㎡75㎡95㎡
最低限25㎡30㎡40㎡50㎡

単身の場合、最低でも25㎡は必要で、理想をいえば45㎡は欲しいと定められています。二人暮らしの場合は最低30㎡で、理想は55㎡です。当然、広さが広がるほど、家賃も上がっていくのでバランスを見て妥協できる範囲を探るのが重要です。

生活動線は確保できるか

生活導線も見逃すとあとあと取り返しのつ付かないことになりやすいポイントです。例えば、「キッチンに行くために必ず寝室を通らないといけない」や「人気のカウンターキッチンにしたものの毎回遠回りをしないとリビングにいけない」ということもあります。

最初は我慢できたとしても、それが毎日続くとなるとストレスが大きいというケースは多々あります。間取り図を見ている段階で、どんな生活をするのかをイメージし、見逃しをしないようにするのが重要です。

収納は十分か

収納は、前述した専有面積に含まれます。そのため専有面積が狭くなればなるほど、収納スペースもしくは、居住スペースが削られていきます。収納スペースがない場合、居住スペース内に荷物を置くか、家の外で管理するなどの工夫が必要となります。

一般的に収納スペースは専有面積の8%前後必要と言われています。専有面積から収納スペースの大きさを算出し、間取り図に書いてある収納スペースがそれよりも大きいのか小さいのか、小さいなら許容できるのかを見ていくと良いでしょう。

扉が開く方向をチェック

必要な部屋がある間取り図かどうかを見ることも大切ですが、実際に住み始めて使い勝手の悪さに気づいても遅すぎます。そのポイントになるのが「扉が開く方向」です。

それによって、扉が当たる場所には棚などは設置できないことなどが確認できるため、実際の床面積に対しての使える部分が狭くなる場合もあります。

また内開きの中でも壁側に向かって開く扉であれば、半開きの状態から部屋の中央に入れるため、使い勝手のよい扉ということが言えるでしょう。

生活音は気にならないか

生活する前はわからなかったりあまり気にしないものの、生活すると意外に気になってくるのが音です。室内の音の場合、赤ちゃんを寝かしつけたのにキッチンの食器洗浄機の音が筒抜けで起こしてしまうとというようなこともありえます。寝室がマンションの通路側で、窓を開けて寝ていたら住人が通る音で起こされる。なんてことも音が原因です。

室外からの目線は大丈夫か

「リビングの窓を開けると、隣人のリビングが丸見えでお互いに気まずい」「玄関とリビングがつな繋がっているので、来訪者が来るとくつろいでいる姿が丸見え」などと、間取りによっては、見せたくないものが室外から見えてしまうケースがあります。くつろぐ空間は室外からの視線をさえぎる間取りが良いでしょう。

屋外空間の広さ

屋外空間の広さも見逃してはいけないポイントです。例えばマンションの場合、ベランダなどの屋外空間は専有面積に含まれません。洗濯物を干す場合、ベランダのスペースがどのくらい広いかはしっかりとチェックしておくべきでしょう。

間取り図の略語の意味

間取り図を見る際に知っておくべき記号がいくつかあります。その記号の意味を紹介します。

略語読み方意味
Lリビング居間
Dダイニング食事スペース
Kキッチン台所
Rワンルームキッチンと居住スペースが一体化している一部屋のこと
CLクローゼット普通のクローゼット
WICウォークインクローゼット歩いて入れる大きめのクローゼット
S(N、DEN)サービスルーム納戸、書斎など。採光基準を満たしていない部屋。
UBユニットバスユニットバス。事前に組み立ててあるお風呂場をはめ込んでいる一体型のスペース。
SBシューズボックス下駄箱
PSパイプシャフト、パイプスペース配管
MBメーターボックスガス、水道、電気などの検針メーターボックス
WCウォータークローゼットトイレ
Wウォッシングマシーン洗濯機置場
CFクッションフロア疑似フローリング床
Rリフリジェレイター冷蔵庫置場
ACエアコンエアコン

LDKとDKの違い

よく見かけるLDKとDKですが、その違いをみなさんは理解できていますか。

  • L:リビング
  • D:ダイニング
  • K:キッチン

DKやLDKは公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会が以下のように定めています。

DK(ダイニングキッチン)の場合、

「台所と食堂の機能が1室に併存している部屋をいい、住宅(マンションにあっては、住戸。)の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するもの」をいいます。

引用元:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会

と定められています。

LDK(リビングダイニングキッチン)の場合、

「居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅(マンションにあっては、住戸。)の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するもの」をいいます。

引用元:公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会

と定められています。

DK及びLDKの最低必要な広さの目安となる基準は以下の表になります。

居室(寝室)数DKLDK
1部屋4.5畳8畳
2部屋以上6畳10畳

居室(寝室)が1部屋の場合、キッチンのある部屋の大きさが4.5畳以上8畳未満でDK。8畳以上でLDKとなります。居室(寝室)が2部屋以上の場合、キッチンのある部屋の大きさが6畳以上10畳未満でDK。10畳以上でLDKとなります。

1Rと1Kの違い

1Rはキッチンと居室が1つの部屋にまとまっているもので、1Kはそれぞれが部屋として区切られているものを指します。