両手放しにならないゴールデンウィーク
運輸各社のゴールデンウィークの予約状況は5-6割。宿泊施設もコロナ前の6-7割にとどまっていると報じられています。そんな事、わかっていると言われそうですが、結局、コロナからの解放を待ち続けた人たちの「特別消費期間」は既に終わっているのでしょう。例えは悪いですが、刑務所から出たら寿司食べて酒飲んで…という我慢からの解放で喜びひとしおですが、そんなのは1週間もすれば普通に戻るのです。なぜなら「手を伸ばせばそこにいつでもある」からで急ぐ理由がないのです。
そこに持ってきて物価高であちらから聞こえてくるのは電気代やガソリン代、食費の高騰でむしろ消費を制御する動きになっています。こうなればやれ旅行だ、やれグルメではないし、そもそもコロナ感染者もいまだに日々4万人台で停滞気味です。なぜ一定水準で改善傾向が出ないのか、これまた不思議な話ですが、心理的には悪影響です。
今年のゴールデンウィークは「近・短・安」が復活し、更に「直前決定」という新たな要素が加わるかもしれません。天気に誘われるか、コロナ感染者数をにらみながらになるのか、とにかく事前にあまりしっかり予定を立てないでその時の気分で動く展開です。本来であればまだ外国人に占拠されていない観光地は一昔前の日本的な落ち着きがあってよいのだと思います。穴場を狙って秘境の温泉ななんていいのだろうな、と私は想像力だけを掻き立てて行った気分に浸るしかなさそうです。
後記
日本電産の永守重信氏がCEOに復帰したと報じられています。創業者は自分のスタイルを絶対視します。私もそうかもしれません。しかし、自分のやり方以外にもあると信じ、人に任せ、新たな市場開拓や違う経営戦略もあるはずです。独裁型は国家運営より企業統治の方が多く、「お山の大将」という経営の典型的ケースが広く見られます。創業者は自分のレールから外れることを最も恐れますが、それはそれ以外を選択するフレキシビリティも経営的キャパもないという見られるリスクは今後、顕在化してくるでしょう。私は永守ファンですが、今回の件はいただけません。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年4月23日の記事より転載させていただきました。
文・岡本 裕明/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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