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払拭された悪いイメージ
「ニセ人魚」で一儲けしたP・T・バーナム
払拭された悪いイメージ
当時まだ「悪い出来事」の予兆として不吉がられた人魚ですが、1837年にクリスチャン・アンデルセンが童話『人魚姫(The Little Mermaid)』を発表して以来、そのイメージは一変します。
これまで船の乗組員を「死」に追いやるシンボルとして知られていたにも関わらず、それ以降は逆に人間の命を助ける存在として語られていったのです。
「ニセ人魚」で一儲けしたP・T・バーナム
2018年2月に日本で公開された、ヒュー・ジャックマン主演の映画『グレイテストショーマン』のモデルとなったP・T・バーナムは、人魚で集客することを考えた人物でした。
当時日本では「人魚職人」なる者が存在し、精巧な「ニセ人魚」を作っては見世物小屋にて披露していました。猿の頭を魚に縫い付けて作られたその模造品は、一見継ぎ目がわからないほど完成度が高く、多くの人を驚かせ、多くの金が動いたそうです。
そこに目をつけたのが心理学の「バーナム効果」でも知られるP・T・バーナムです。日本で購入したその「ニセ人魚」をアメリカで披露し、一山当てることに成功。人魚と言ってもその模造品は当然美しいものではなく、どちらかと言えばグロテスクなものでしたが、話題を呼ぶには十分なインパクトだったようです。
その存在に関する決定的な証拠はいまだに出てこない人魚ですが、これまでに多くの人が、その神秘的な魅力に取り憑かれていたことがわかります。
現実の世界において私たちが人魚を目撃できる日は来ないかもしれませんが、これだけ多くの文化の中でその存在を示してきた「人魚」は、すでに私たちの頭の中の「想像の世界」に息づいているのかもしれません。
提供元・ナゾロジー
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