「人魚って本当にいるの?」
もし純粋な子どもにこんな困った質問をされたなら、あなたなら何と答えますか?
“The Conversation” が “Curious Kids” のコーナーにおいて、その素朴な疑問に答えています。いつそんな質問をされてもいいように、ここで一つ勉強しておきましょう。
さて、結論から言います。残念ながら人魚は「いません」。
映画や小説で活躍する人魚。その姿を見たと主張する人も少なくありませんが、それらの主張は単なる「いたずら」であったことがわかっています。
遠い昔に語られた「人魚」
「いない」と断言した人魚ですが、人々は遠い昔からその存在をテーマに、様々な逸話を残しているようです。
数千年前、現在の中東地域に位置していたシュメール王朝の神「アタルガティス」は、半分女性、半分魚の「人魚」として描かれていました。
古代ローマの博物学者で「大プリニウス」として知られるガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、「鱗(うろこ)」を身にまとった多くの人々が、浜辺に打ち上げられているのを見たと主張しています。
中世ヨーロッパにおいても、人魚に関する多くの描写が残されています。上半身が人間、下半身が魚として描かれたその人魚は、船から乗組員を引きずり下ろす「危険」のシンボルとされていました。
「見間違い」のケース
海中の探索が盛んになった頃、人々が「マナティー」や「ジュゴン」を人魚と見間違った可能性があります。長い尾を持つそれらの動物のフォルムが、それまで語られてきた人魚のものとよく似ていたのです。
頭部を見れば「人魚ではない」ことが一目瞭然な気もしますが、当時の人々の「人魚をひと目みてみたい」といった気持ちがそのような「見間違い」を引き起こしたのかもしれません。