③言わずと知れたガルウイング スタリオンに乗る「伊達 健」
伊達 健に関するエピソードとして、舘ひろしさんは「西部警察の鳩村とあぶ刑事の鷹山は、同じ芝居」と発言し、また「あぶ刑事の鷹山と、ゴリラの伊達は同じ芝居」とも発言していました。かなりぶっちゃけた発言ですが、それだけ舘さんのダンディな刑事役というスタイルにブレがなかったということなのでしょう。
そんな舘さん演じる伊達 健が愛車にするのは、スタリオン GSR-VRの特注ガルウイング仕様。かつて西部警察の「スーパーZ」を彷彿とさせるクルマで、この番組のなかでも主役級といった扱いだったと思います。また、渡さんではなく舘さんが乗るということは、ある意味、渡さんから舘さんにバトンが渡されたということなのかもしれません。
シリーズ後半になると、伊達は病におかされながらも任務にあたることになります。ドラマは、次第に死期が近づいて来る伊達の心模様や友情などが盛り込まれ、ヒューマンドラマという仕立てになっていったところが見所でした。それもそのはず、後半からは「北の国から」でも有名な脚本家、倉本聰氏が加わり、エンディングへ向けて加速させていったのです。
わずか8年という生涯…懐かしの名車 三菱 スタリオンは1982年から1990年に登場!
スタリオンが登場したのは1982年!1982年と言えば東北新幹線・上越新幹線の開業や、笑っていいとも!が放送開始された年ですね。3ドアクーペで独自のスタイルを持つクルマとして開発されました。
スタリオンの名前はstar(星)とarion(ギリシャ神話の名馬)を組み合わせたものだといわれています。
ミドル級サルーンのギャランΣ(シグマ)をベースとし、リトラクタブル式ライトを採用。発売当初搭載されていたのは、直列4気筒SOHCエンジン。FR駆動で、全長4,400mm、全高1,320mm、幅はナローとワイドモデルがあり、ナローが1,695mm、ワイドが1,745mm。全体的に角張った印象で、”ガンダムチック”と呼ばれることもありました。
このスタリオンは、1980年代の三菱を代表するレーシングカーとしても活躍していました。
グループA時代の全日本ツーリングカー選手権に参戦し、86年にはメイクスランキング2位を獲得する等多くのレースで勝利を収めました。そして、1990年、三菱GTOに後を引き継ぐ形で生産を終了。8年という短い歴史に幕を閉じます。
短い間でしたが、スタリオンの活躍は三菱自動車の歴史にしっかりと刻まれ、引き継がれています。実はオーナーだった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。時代を感じる、懐かしいモデルでしたね。
④芸名と同じ役名「田中美奈子」が乗ったエクリプス ガルウイング仕様
芸名と役名が同じ田中美奈子が登場したのはシリーズ中盤から。それに合わせて、田中美奈子専用の特装車も設定されます。それがエクリプス ガルウイング仕様。このエクリプス、番組登場時点では、まだ日本国内未導入だった記憶があります。それでも三菱自動車から提供を受けていたというのは、まさに特別待遇でした。
エクリプスは、アメリカ向けの若者用スポーティーカーという位置づけで、当時のスポーティーカーのなかでは、どこか垢抜けた躍起になっていない魅力がありつつも、そのトップグレードはギャランVR-4と共通だったりして、本格派の一面も覗かせます。
ガルウイングというのは見た目の派手さや乗り降りのしやすさ、あるいはドラマの警察的には乗車しながら狙撃しやすいなどのメリットもあるようです。でも、実際の警察車両には導入されていないところをみると、果たして…どうなのでしょう。