マンション売却を検討する際、誰もが「少しでも高値で売りたい」と思うもの。立地や築年数などに加え、価格が決まるうえで内装もひとつの要素です。マンションの売却前にリフォームなどは必要なのでしょうか。リフォームの必要性から発生する費用まで詳しく解説します。

目次
マンションを売却するならリフォームは不要?
リフォーム費用はどのくらいかかる?

マンションを売却するならリフォームは不要?

内装のきれいな部屋と傷みがある部屋では、当然きれいな方に人気が集まります。

しかし、中古マンション売却時には「リフォーム で部屋をきれいする=高額で売れる」とは限りません。リフォーム にかかった費用をマンションの売値に加算できれば良いですが、結果的に思っていたほどの売却益を得られない可能性も高いのです。

では、なぜマンション売却時にはリフォーム が必須ではないのでしょうか。

売却時の査定に大きく影響するのは、内装<築年数

中古マンションを探している人は、価格・立地に加えて「築年数 」を重視しています。築年数 がポイントとなるのは、中古マンションの耐震 性の側面からです。つまり1981年6月から施行された「新耐震基準」を満たしているかどうかです。

そもそもリフォーム前提の買主が多い

中古マンションを探している買主は、購入後のリフォームやリノベーション工事を予定している人もいらっしゃいます。もちろん入居前からきれいな内装であるのはよい印象を与えられますが、「お風呂の設備は新品がいいな」「もしも間取りがいまいちだったらリノベーションしよう」「自分好みの床や壁に変えよう」と考えている買主も多いのです。

このように内装の希望や好みには個人差があるため、リフォームしたからといって必ずしもマンションの価値が高まるとは限りません。一か八かで高額なリフォーム費用を支払うよりも、そのままの状態で引き渡した方が賢明でしょう。

リフォーム費用はどのくらいかかる?

マンション売却時にリフォームは必須要件ではありません。しかし参考までに、複数のリフォーム会社を平均化した料金相場です。リフォームにかかる費用の目安として確認してみましょう。

修繕箇所 リフォームの内容、傷みの程度 料金
キッチン 簡単な修繕や入れ替え 50万円~
システムキッチンの取替、壁紙交換 100万~
トイレ 便座交換 2~4万円
便座とウォシュレット交換 10万円未満
天井・壁・床・便器など総リフォーム 50万円~
バスルーム タイル貼替、ユニットバスからの変更 80~100万円
既存のバスルーム解体 ~120万円
大理石への貼替、浴室暖房機設置など ~150万円
洗面所 既存の洗面所撤去、代替を設置 20~50万円
床・壁・天井の貼替、洗面所設置 ~80万円
リビングルーム 壁の貼替のみ 10万円〜
フローリング貼替

1,000円/m2

選ぶ素材・部屋の広さ・製品自体のグレードなどによってリフォーム費用は大きく異なります。仮にリビングやベッドルームはもちろん、トイレやバスルームまでリフォームした場合には総額500万円以上かかってしまうことも。

高額なリフォーム費用を支払ったにもかかわらず、買主の購買意欲や売値アップに直結しないのは残念なこと。早急な修繕が必要なケースを除き、基本的にはマンション売却時にフルリフォームは必要ないでしょう。