格納式ドアミラーに関して、最も進んでいるのは日本です。そもそも、諸外国には「ドアミラーをたたむ」という発想がありませんでした。日本メーカーが採用したことで、欧米でも格納式が広まったのです。その格納方法は、日本ではほぼ統一されているのに対して、欧米ではメーカーによって異なっています。今回は、各メーカーのドアミラー事情を見ていきましょう。

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格納式ドアミラーは日本が発祥
海外では「たたむ」発想自体がない

格納式ドアミラーは日本が発祥

回転しながら格納やぶつかって格納など…各メーカーの格納ドアミラー事情
(画像=『CarMe』より 引用)

ドアミラーが日本で認可されたのは1983年。それまでの日本車はフェンダーミラーのみで、当然のことながら、格納する必要もありませんでした。

日本でドアミラーが認可された背景には米国自動車業界からのいわゆる外圧があったとされています。

電動格納式ドアミラーを最初に実用化したのは日産自動車でした。驚くのはその対応の速さで、1983年に規制が撤廃されて1年後の1984年に発売されたC32ローレルが最初です。

ちなみにドアミラーが最初に装着されたのも日産のパルサーエクサで、規制撤廃直後の1983年に発売されました。

電動格納式ドアミラーに関して、日本車が世界初となった理由は、日本独特の道路事情、駐車事情などが理由です。

狭い駐車場の場合、ドアミラーが開いたままだと、車と車の間を通る際、歩行者がミラーに接触してミラーの角度がズレたり、壁に当たったりという不便な事態が生まれました。そのような事情から、メーカーは格納できる構造としたのです。

海外では「たたむ」発想自体がない

外圧によって日本でのドアミラーに関する規制が撤廃され、日本車に続々とドアミラーの採用が始まりました。しかし、海外のメーカーには「ドアミラーをたたむ」という発想自体がなく、対応にはかなり戸惑いもあったようです。

とはいえ、日本で車を売るためにはドアミラーの格納は必須ということで、日本での販売台数が多いドイツ車から徐々に格納式への対応が始まりました。右ハンドル車の導入と同様で、輸入車のなかではドイツ車が一番対応が早かったのです。