ETC2.0とナビ連携でどんな車でもTSPSが利用可能
TSPSは燃費改善や渋滞解消に効果を発揮するものの、積極的に利用しているのはトヨタとホンダのみであり、TSPSの機能を標準で利用できる車はまだ少ないのが現状です。
トヨタでは2015年にマイナーチェンジしたクラウンからTSPSの機能を組み込んだ「ITSコネクト」を搭載しています。2022年3月現在では、トヨタ プリウスやMIRAI、アルファード/ヴェルファイアやノア/ヴォクシーなど約10車種に標準またはオプションで搭載されているものの、コンパクトカーには搭載されていません。
ホンダでは2016年にマイナーチェンジを受けた2代目アコードハイブリッドに「信号情報活用運転支援システム」としてTSPSが初搭載されました。現在TSPSが標準装備されるのは電気自動車のホンダ eのみ。フリード/フリード+やステップワゴン、ヴェゼルなどにディーラーオプションで装着できるものの、搭載車種は限定されています。
しかし、以上の車以外でもETCとカーナビゲーションを連携させることで、TSPSの機能が利用できます。高度化光ビーコンに対応したETC2.0と、それに対応した高機能カーナビゲーションが必要であるものの、この2つを準備すればどのような車でもTSPSを利用することができるのです。
渋滞緩和とまではいかなくとも燃費改善には効果あり?
TSPSは、国土交通省が1996年から進めている取り組み「ITS」を構成するなかの機能のひとつです。ITSとは、通信によって道路の流れを円滑化するための取り組みの総称で、カーナビの渋滞回避で活躍するVICSや、電子料金収受システムであるETCも、同じく渋滞緩和を目的とするITSの一手です。
さらに詳細をいえば、高度道路交通システム(ITS)を、警察庁主導で行っているのが新交通管理システム(UTMS)であり、UTMSの主幹制御システムである高度交通管制システム(ITCS)のひとつである安全運転支援システム(DSSS)に含まれる一部機能が、信号情報活用運転支援システム(TSPS)です。
TSPSをすべての車が利用すれば都市部の渋滞は最小限に抑えられるでしょう。しかし実際には、普及も認知もあまり進んでいない様子です。こういった類いの仕組みは、一定の普及率に達するまでは効果を発揮しづらいため、TSPSによる劇的な渋滞緩和は見込めません。
もちろん、TSPSの誘導に従ったとしても、信号にまったくひっかからずに通行できるわけではありません。また、交通量が少ない地方では利用できる地域が限られる点も問題です。しかし、信号が多い大都市での燃費改善にTSPSは有効な手段といえるでしょう。
ETC2.0に切り替えるタイミング、あるいは車を乗り換えるタイミングで対応するETC車載器とカーナビを新調すれば、最小限の費用でTSPSの恩恵を受けることができます。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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