走りや乗り心地は?
FJクルーザーとプラドは、共通のシャシーを使用する兄弟車だ。強固な梯子型のラダーフレームを採用し、ランクル譲りの高いオフロード走破性を備えている。
ボディサイズはFJクルーザーが全長4,635mm×全幅1,905mm×全高1,840mm、プラドが全長4,760mm×全幅1,885mm×全高1,850mmと、FJクルーザーのほうが少々短く、幅は逆に若干ワイドだ。
とはいえほぼ同等のサイズ感と考えていいだろう。
足まわりのサスペンション形式も基本的には共通で、高い悪路走破性を確保しながらも、オンロードでの乗り心地も犠牲にしていない。
とくにプラドの最上級グレード「TZ-G」には電子制御エアサスペンションが採用されているため、高級乗用車と遜色のない乗り心地を実現している。
FJクルーザーはもともと北米市場向けモデルということもあり、どこかアメリカ車的な鷹揚な乗り味だ。
※2.8L直噴ターボディーゼルエンジン「1GD-FTV」
大きな違いはエンジンのラインナップ。
4リッターV6のガソリンエンジン(276ps/38.8kgm)一本のFJクルーザーに対し、プラドはFJと共通の4リッターV6(2015年まで)に加え2.7リッター直4ガソリン(163ps/25.1kgm)、2.8リッターのディーゼルターボ(177ps/45.9kgm)が用意される。
パワーがあるのは4リッターV6だが、燃費重視のユーザーであればディーゼルエンジンを選びたいところだろう。またFJクルーザーには希少だが2013年まで6速MTモデルも存在した(プラドはATのみ)。
インテリアや装備は?
レトロなデザインが特徴のFJクルーザーは、インテリアにもその世界観が踏襲されている。
上下幅の狭いフロントウィンドウからの眺めは旧車に乗っているかのような気分を味わえる。
また「カラーパッケージ」ではセンタークラスターに加えてドアトリムまでボディ同色となる。イエローやブルーの明るいボディカラーに同色インテリアの組み合わせは、FJクルーザーならではのポップな感覚だ。
いっぽう弱点は、現代的な安全・快適装備がほぼない備わらないこと(グレードによりクルーズコントロール装備モデルはあり)。これは基本設計の古さゆえ、仕方のないところだろう。
プラドのインテリアはラグジュアリー志向だ。
設計年次が古いためデザイン的な新しさはないが、各部の質感は高く、とくにレザー内装モデルは高級車の佇まいがある。
安全・快適装備も充実している。モデルレンジが長いので年式により差はあるが、2017年のマイナーチェンジ以降はトヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車標準装備されたので安心だ。
室内のユーティリティに関しては大きな差がある。観音開きのリアドアを持つFJクルーザーの後席は、スペース的には十分だが、後席への乗り降りはしにくいという弱点がある。
いっぽうプラドの強みはサードシートの存在だ。スイッチひとつで格納できる電動フロア格納機構を備えるため、必要に応じて7人乗車が可能になる。
ファミリーカーとして考える場合は大きなメリットになるだろう。