お金に余裕がない人が取るべき脱出戦略

だが、お金に余裕がない人にも、脱出できるいくつかの光明がある。幸いなことに筆者は苦心惨憺の末に、極貧状態から脱出することが出来た。個人的経験値からその具体的な戦略を述べたい。

まずは、お金と時間を奪う物を、徹底して使わないことだ。高額なスマホは言わずもがな、高級ブランドバッグや、不要不急な自動車の購入などがあげられるだろう。こうしたものは、購入した後もメンテナンスや保険料などで、ドンドン財布からお金を奪っていく。ハイエンドスマホなどなくても、情報収集はPCがあれば十分だ。

そして、できるだけ健康的な生活に努めることだ。人によっては「健康的な食材は高い」という主張もあるが、筆者はそう思わない。過去記事「お金がなくなって真っ先に食費を削るから余計に貧しくなる」でお話をしたが、栄養の知識をつければジャンクフードや、見切り品の揚げ物よりは遥かにマシなものを低コストで食べることが可能だ。必要なのはお金ではなく、栄養の知識である。その知識も、図書館を利用すれば無料で手に入る。ひとたび体調を崩すと、治療費や勤労に影響を受け、結果としてあらたなコストがかかってしまう。健康でいることはコスト削減になるのだ。

最後に、現状から抜け出すための努力をすることだ。筆者はお金がない貧乏生活の中でも、専門分野の勉強を続けた。それにより、転職を経て年収アップを実現することができたのだ。「勉強をすることにもコストがかかる」という意見もありそうだが、スクールなどに頼らず、独学であればコストも抑えられる。今や、無料・格安で学習素材を見つけることに苦労しない時代になった。必要なのはコストではなく、「今より高みへいきたい」という意欲だ。未来を開拓するために希望を持って勉強に集中していれば、ストレス解消のためにショッピングをして浪費したり、ギャンブルで身を持ち崩したりすることから開放されるだろう。

貧乏生活はコスト高であり、それ故に抜け出しづらいという辛い矛盾がある。だが、どのような状況に置かれても、知恵と意欲と行動力によって道は切り開かれると信じている。

文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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