夫婦関係に男のプライドなんていらない

ここまで書いたとおり、配偶者が自分より優秀で、稼げることで支障が起こることはないと思う。起こるとすれば、女性側ではなく男性側のプライドが原因だろう。

この男のプライド、というのは昔からよく理解できなかったが、ビジネスをしてますます要らないと思うようになった。「男のプライド」と聞いて連想する意味合いは人によって異なるだろうが、つまるところ、

・男は泣くな
・安易に人に頼るのはダサい
・他人より優れているべきだ
・見栄を張れ
・自分の意見を曲げるな

筆者の個人的な感覚値で言う「男のプライド」とはこのようなものである。お断りしておくが、このようなプライドを持っている人をバカにする意図は一切ない。けど、このようなプライドは結婚をして幸せな家庭を築き、ビジネスで社会やお客様に価値を提供する上で本当に必要なのだろうか?

極めて個人的な感覚値でしかないので、腹を立てずに「ああ、こういう奇矯な考え方の人もいるのね」くらいに軽く聞いてもらいたい。ぶっちゃけ、筆者にとっては男のプライドに対しては「取り扱いが面倒くさい」という印象がある。下手に怒らせると、プライドを傷つけられたと憎しみを向けられる。

実力以上に自分を大きく見せ、常に「自分は優れている」というPRに奔走するような、肩肘張った生き方は人生をハードモードにするだけでしかないと思っている。夫婦関係こそ、最も本音で語り合える関係であるべきで、プライドなんて発揮する場面はないと感じてしまう。

結論的に、結婚する妻の方が優秀であるのは悲しむべきことではないと思う。お互いに稼ぐことで経済的基盤が盤石なものとなり、ビジネスや将来の相談も現実的で合理的な相談相手になってくれる。感情的な応酬もなく、冷静な話し合いもできる。

ただひとつ、男性側が面倒なプライドを持たなければ、という条件付きなだけだ。

文・黒坂岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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