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■日本におけるキャッシュレス決済の種類
■日本におけるキャッシュレス決済の比率
日本政府主体で行った「キャッシュレス・ポイント還元事業」の影響もあり、キャッシュレス決済を使っている人が年々増加している。コンビニやスーパーにキャッシュレス専用レジが追加されるなど、普及率は順調のように思われる。
しかし、日本と海外のキャッシュレス決済比率を比べてみたとき、日本は大幅に遅れていることが分かる。また、未だに現金に固執している層が一定数いるのも事実だ。
そこで今回は、日本におけるキャッシュレス決済の種類、海外と比べたときの差を解説する。
■日本におけるキャッシュレス決済の種類

そもそもキャッシュレス決済には、どんな決済方法があるのだろうか?いま一度、日本国内で使用できる決済方法を確認しよう。
日本におけるキャッシュレス決済の種類としては、主に以下の4つが挙げられる。
・クレジットカード決済
・デビットカード決済
・電子マネー決済
・QRコード決済
【クレジットカード決済】
日本で最も利用されているキャッシュレス決済である。経済産業省が公表したデータによると、2020年時点での決済比率は25.8%を占めている。
【デビットカード決済】
クレジットカード決済と同様、カードを用いた決済方法である。キャッシュレス決済の比率は0.8%と、ほかの決済方法に比べて低い傾向にある。
【電子マネー決済】
「Suica」「PASMO」など、主に交通系電子マネーがこれにあたる。決済比率は2.1%と、クレジットカード決済の次に高い数値を獲得している。
【QRコード決済】
「PayPay」「LINE Pay」などを使い、スマートフォンや店頭端末でQRコードを読み取る決済方法だ。2018年から始まった新しい決済方法であるのにも関わらず、決済比率は1.1%という数値を獲得している。
■日本におけるキャッシュレス決済の比率
「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が2021年9月28日に公表したデータによると、2020年における日本のキャッシュレス決済比率は29.7%だった。
コロナ禍により民間の最終消費支出が落ち込む中、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済、すべての決済手段において決済金額が伸びている。
日本のキャッシュレス決済比率が伸びている背景としては、2019年の消費税率引き上げに伴い、日本政府主体で行った「キャッシュレス・ポイント還元事業」が影響している。
この事業の詳細としては、対象店舗での支払いをキャッシュレス決済にすることで、最大5%の還元を受けられるというものだ。日本全体にキャッシュレス決済が普及する大きな要因となった。
しかし、未だに現金に固執する層も一定数いるため、全国民がキャッシュレス決済に積極的であるとは言えない。そして、日本と海外における普及率を比べてみると、日本が大幅に遅れていることが分かる。