高級品や贅沢品と呼ばれるプロダクトの中でも、機械式腕時計は別格の存在と言えるでしょう。手首に収まるほどの小さなケースの中で数百もの微細なパーツが連動して正確に時を刻む様は、まさに小宇宙。年を重ねるごとにその良さを熟知し、ミーハー心とともに、オタク心が揺さぶられる…さらに言えば、時計の世界に浸れることは、仕事を頑張ってきた証ともいえます。

そんな機械式腕時計の中でも、さらに別格なのが、いわゆる独立時計師たちが創り出すタイムピースです。しかし、その特殊さゆえ、これまであまり馴染みがなかったという人も多いはず。ですが、この度、製作された機械式時計製作に関する初の長編ドキュメンタリー映画『KEEPER OF TIME』を観れば、その奥深い世界観の虜になること間違いありません。もっと時計の世界に浸かってしまい、パートナーに怒られるかもしれませんね(笑)。

超一流独立時計師たちの超絶技巧の世界を取材

滅多にお目にかかれない一流独立時計師の繊細な仕事に密着!ドキュメンタリー映画『KEEPER OF TIME』
(画像=『JPRIME』より 引用)

『KEEPER OF TIME』の製作総指揮を担当したのは、シンガポールを拠点とする高級腕時計専門店「アワーグラス」。ニューヨークを拠点に活動するベテランドキュメンタリー編集者、マイケル・キュリバが監督を務めました。本作品では、機械式時計製造、時計学の歴史、そして時間という概念について描かれており、機械式時計に対する造詣を深められる内容となっています。

特に注目したいのが、フィリップ・デュフォー、フランソワ・ポール・ジュルヌ、ロジャー・ W・スミス、マックス・ブッサーという世界的に知られる4人の独立系時計製造のアイコンたちの登場シーン。彼らの時計製造の現場を克明に撮影し、ものづくりに対する想いをインタビュー取材することで、これまで一般には知られていなかった独立時計師の超絶技巧の世界に触れることができます。また、理論物理学、生理学、哲学の分野の著名な学者へのインタビューを通して、人間の果てしない精度への追求と機械式時計製造のロマンを検証するというユニークなアプローチも作品に深みを与えています。

滅多にお目にかかれない一流独立時計師の繊細な仕事に密着!ドキュメンタリー映画『KEEPER OF TIME』
(画像=『JPRIME』より 引用)
滅多にお目にかかれない一流独立時計師の繊細な仕事に密着!ドキュメンタリー映画『KEEPER OF TIME』
(画像=『JPRIME』より 引用)