「無職の人でも年金は払わなければいけないの?」
- 年金
- 20歳以上の国民の義務であり、老後のための公的年金制度
無職で年金を払っていない、又は払うのがきつくて払いたくないというケースはよくあります。
それと同時に、無職の方は将来的が不安で、払っていないと老後年金がもらえないんじゃないかと考える人もいます。
ユーくん 老後が不安になって、年金がいくらもらえるのか不安になるよね・・・
ダルマちゃん そうだよね。無職だから貯金もできてないだろうし、まずは自分がいくら年金をもらえるのか気になるよね。
ここでは、無職の人の年金に関する不安を少しでも減らせるように、年金について解説していきます。
- 3種類の年金
- 無職で加入できる国民年金
- 老後は年金だけで暮らせるのか
免除制度や追納制度などもご紹介するので、無職で年金が不安な人は要チェックですよ。
目次
無職でも知っておくべき3つの年金
無職は国民年金のみ加入できる
無職でも知っておくべき3つの年金

ユーくん そもそも年金って何?よく理解できていないかも・・・
ダルマちゃん そうだよね。国民年金は有名だけど、実は年金にはそれ以外もあるんだよ。
ここでは、皆さんに3種類の年金をご紹介すると共に、それぞれの見込み受給額もお伝えします。
- 国民年金
- 厚生年金
- 共済年金
まずは、年金の大枠について理解していきましょう。
国民年金
国民年金は、20歳以上60歳未満の全員が加入する義務のある最も一般的な年金です。
ダルマちゃん 国民年金は基礎年金とも言われているんだよ。
仮に40年間全期間で保険料を納めた場合、満額の老齢基礎年金781,700円(年間)を受け取ることができます。
厚生年金
厚生年金は、厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する人が加入できる年金です。
つまり、簡単に言うと会社員や公務員が対象になる年金であり、無職では加入することのない年金となります。
厚生年金は雇用主が保険料を半分負担してくれる点が大きな特徴です。
さらに、国民年金にプラスして厚生年金の受給ができるため、将来受け取れる年金が確実に増えるのがメリットです。
ユーくん アルバイトしたら加入できるのかな、それとも正社員だけ?
ダルマちゃん 雇用形態がアルバイトでも厚生年金に加入できるケースはあるよ!でも条件があるんだ。
厚生年金の加入条件の中には、「労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上」というものがあります。
他にも、以下の条件を満たすことで厚生年金に加入することが可能です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 従業員数501人以上
(500人以下の場合は労使で合意必須) - 月給88,000円以上
- 雇用期間の見込みが1年以上
- 学生でないこと
(定時制など一部例外あり)
※参考:日本年金機構「社会保険の加入についてのご案内」
今は無職でも、一旦フリーターになるなどの場合には厚生年金に加入できる可能性があるということを覚えておきましょう。
厚生年金は、加入期間や家族構成などによって受給金額が変わりますが、参考までに一例を挙げておきます。
月収35万円の正社員の例
- 25歳から60歳まで厚生年金に加入
- 65歳の時点で65歳未満の嫁がいる
→厚生年金受給額は年間1,118,760円(月間93,230円)
計算方法については、「フリーターになると年金が少なくなる?老後に備えた年金対策まとめ」で詳しく解説していますので、気になる方はぜひあわせてご覧ください。
ダルマちゃん 厚生年金があれば、国民年金(月間役65,000円)と合わせておおよそ16万円の受給になるってことだよ。
ユーくん そうか。無職だと縁のない厚生年金だけど、メリットはかなり大きいね!
共済年金
共済年金とは、公務員や私立学校教職員などを対象とした年金制度のことです。
受給資格は、過去に1年以上公務員・私立学校教職員に就いた人です。
過去に1年以上公務員・私立学校教職員に就いた人であれば、65歳から退職共済年金を受け取れます。
ダルマちゃん 今は無職でも、過去に公務員や私立学校教職員に就いていた人なら対象になるのが共済保険なんだ。
※2015年10月から共済年金は厚生年金に統合されています。
ダルマちゃん 民間のサラリーマンも公務員も変わらない保険料を負担することで公平性を確保する目的があったんだ。
▼2015年10月以降の年金制度

このように、「厚生年金」と「共済年金」の両方ともを引っくるめて「被用者年金制度」と呼ばれています。
無職は国民年金のみ加入できる

仕事をしていない無職の人が加入できる年金は、「国民年金」のみです。
ユーくん でも、無職の人はみんな入ってるの?入ったら結局いくらもらえるの?
ダルマちゃん そこが気になるよね。これからしっかり説明するから心配いらないよ。
ここでは、無職の人が国民年金に加入すべきかどうかを判断するのに有益な情報を解説します。
- 無職者の実際の加入割合
- 無職者の年金受給額
では見ていきましょう。
無職の国民年金保険の加入割合
無職の場合厚生年金、共済年金などへ加入する資格はなく、加入できるのは国民年金保険のみになります。
国民年金保険に加入している人を理解するために、実際の加入者の就業状況を確認しておきましょう。
▼国民年金加入者の就業状況
就業状況 | 国民年金加入者のうち占める割合 |
---|---|
仕事あり | 64.0% |
無職 | 34.2% |
その他 | 1.9% |
※参照:厚生労働省年金局「平成29年国民年金被保険者実態調査結果の概要」
このデータから、国民年金に加入する人のうち、64%もの人たちが仕事をしている人だと分かります。
国民年金加入者全体における「無職」の割合は34.2%となり、国民年金を納める人の多くは何らかの形で仕事をしています。
ユーくん あ、そっか!フリーターとか、自営業の人とかも国民年金に加入しているんだよね。なるほど!
無職の方が受け取れる年金額(満額の場合)
きっと多くの人が「年金ってどのくらいもらえるんだろう」と疑問に思っているのではないでしょうか。
仮に20歳から60歳までの40年間(480月間)国民年金を納めたとすれば、1年間の受給額は781,700円となります。
国民年金受給額の計算 781,700円(老齢基礎年金満額)×加入月間(月数)÷480ヶ月
ダルマちゃん ちなみに、781,700円は年間に受け取れる額だよ。
月々の受給額を計算するために、781,700円を12ヶ月で割ってみます。
781,000円÷12ヶ月=約65,000円
仮に厚生年金や共済年金に加入しないまま、国民年金だけ納めたとすれば将来月に65,000円しか受け取れないことが分かります。
ユーくん 月に65,000円って、ぜんぜん生きていける金額じゃないね‥。
ダルマちゃん 無職やフリーターのままだと厚生年金に加入できないからね。月65,000円以上の年金受給は不可能ってことなんだ。