日産GT-RとBMW M4。どちらもサーキットでドライビングを思う存分、楽しみたいと思わせてくれるクルマです。ドイツのニュルブルクリンクで鍛えられ、性能に磨きを掛けたこの2台は、それぞれのメーカーが誇る技術の集大成と言っても過言ではありません。しかし、両車を比較してみると、その成り立ち、性格には大きな違いがあることがわかります。
日産 GT-R
日産GT-Rは、スカイラインから独立して2007年に登場。ポルシェ ターボやフェラーリ、アストンマーティンといったスーパーカーの仲間入りを果たしました。
年次改良を続け、現行モデルが歴代最強スペックを発生しているものの、サーキットでコンマ一秒でも切り詰めたいユーザーには、NISMO仕様を用意。その役割を引き受けています。
BMW M4
BMW M4は、BMWのモータースポーツ関連会社のM社が開発するモデルで、BMW社で生産されています。M4は4シリーズを、M3は3シリーズをベースにしており、M4はM3のクーペ版になります。
Mモデルのライバル関係にあるのは、メルセデスのAMG、アウディのRS。1000万円前後のスポーツクーペ市場では、他にレクサスRC Fが台頭してきており、賑わいを見せています。
ポルシェ ターボやフェラーリ、アストンマーティンは手が出ないし、サーキット走行から旅行まで一粒で二度味わいたいという欲張りな人にはスポーツクーペはうってつけではないでしょうか。
まずはこの2台を基本スペックから比較してみましょう。
日産 GT-R 2017年モデル プレミアムエディション 6AT 1,170万5,040円
エンジンは、V型6気筒の3.8リッターツインターボ。最高出力は、419kW(570ps)/6,800rpm、最大トルクは637Nm(65.0kgm)/3,300-5,800rpmと強力。
組み合わせる6速デュアルクラッチミッションは、リアアクスルに配置されるトランスアクスル方式で、駆動方式は4WD。トランスアクスル方式は、フロントに集中しがちな重量物を後方に置くことで重量配分に有利ですが、4WDのGT-Rの場合、機構が複雑でプロペラシャフトが2本必要となります。
BMW M4クーペ 6MT 1157万円
先代M3ではV型8気筒の4リッターエンジンを搭載し、物議を醸しましたが、現行型は直列6気筒3リッターのツインターボを選択。燃費とパフォーマンス向上に寄与しています。
最高出力は、317kW(431ps)/7,300rpm、最大トルクは550Nm(56.1kgm)/1,850-5,500rpm。組み合わせるミッションは、6速MTもしくは7速M DCT Drivelogicが選べ、駆動方式はFRです。
この両車、値段こそ近いものがありますが、その成り立ちは大きく異なり、性格も違います。