突然ですが、「スクワットで腹筋は鍛えられる」ということは聞いたことがありますか?結論から言うと、正しくもあり、その逆でもあるということが言えます。まずこれは、人それぞれで異なることなので鵜吞みにしてはいけません。では、そのスクワットで腹筋が鍛えられるとはどういうことなのでしょうか。そして、専門家が導きだした答えとは!?

天然のコルセットを作ろう

エクササイズ中の腰痛を予防するには大きく2つの方法があります。ひとつは「リフティングベルト」を使うことです。リフティングベルトを使うことで、腰を外部から保護する効果があります。特にスクワットなど、脚のトレーニングの際には、腰椎に軸圧や剪断力がかかるので、高重量をより安全に行うためには、リフティングベルトが必要不可欠になります。 しかし問題がひとつあります。それはトレーニングの際には常にリフティングベルトを手放せないという「依存性」が出てくることです。そうなると、特に腰痛がある方、スポーツを行なっている方は、トレーニング以外の場面で、自身の体幹の筋力で腰椎を維持できなくなる可能性があります。一番避けたいのは、体幹が弱い状態で、腕脚の筋力が強くなることです。その場合、体幹が腕脚の強い出力に耐えられず、支えきれなくなって腰を痛めてしまうリスクが高くなります。 したがって、リフティングベルトを着用するのは、自身の体幹の筋力以上の負荷をかけるときに留め(5RM以上)、あとはベルトを外し、自身の体幹の筋力を用いエクササイズを行うのが良いと言われています。そして、もうひとつの腰痛予防は、体幹を別に鍛えることです。体幹の深部には「腹横筋」と呼ばれる天然のコルセットの役割をする筋肉が存在するので、それを活性化させて使えるようにする方法です。つまり人間には自身の身体の中に「リフティングベルト」が備わっているということです。そしてこのベルトが使えていない人が多いので、使えるようにしましょうという考えです。

スクワットを行えば体幹トレーニングは必要ない?

よく言われるのは、スクワットを行えば必然的に腹横筋をはじめ、体幹が鍛えられるので、別途、体幹トレーニングは必要ないという意見です。このような意見は比較的、身体が発達している人やボディメイク競技で結果を出している人が言うことが多いので、非常に説得力があります。 しかし、ここで考えないといけないのは、自分自身もその人に当てはまるかということです。特に身体が発達している人は、もともと生まれつき身体ががっしりしており、腰も頑丈な人が多い傾向にあります。身体軸もしっかりしているので、こういう人はスクワットを行うことで、体幹を上手く使うことができ、体幹を鍛えることが可能です。 しかし、このような才能のある人の言うことを、十分な才能を持ち合わせていない人が行うと、同じように上手くいかないことが多々あり、逆にケガのリスクが高くなることも考えられるので注意が必要です。