ふるさと納税を利用した際、所得税の還付や住民税の控除を受けるためには、ただ寄付するだけでなく、ご自身での申請が必要です。手続きが簡単なワンストップ特例制度を利用するか、確定申告をしなければなりません。ワンストップ特例制度では申請書を提出するだけで手続きが完了しますが、なかには確定申告しかできない場合もあります。今回は、ふるさと納税で確定申告を行う際に必要な書類や手順をまとめました。

目次
ふるさと納税で確定申告が必要な人の条件
不動産投資をしていると、ふるさと納税の上限がアップする可能性があります
 ・ワンストップ特例制度とは

ふるさと納税で確定申告が必要な人の条件

ふるさと納税を行った場合、ワンストップ特例制度もしくは確定申告をする必要があります。忘れてしまうと税金が控除されずに、純粋に寄付をしたことになります。そうならないため、必ず期日までにいずれかの手続きを済ませるようにしましょう。ただし、好きな方法を選べるわけではない場合があります。

副業をしていない会社員など、1つの企業からのみ給与を受け取っている給与所得者は、年末調整をしているために基本的に確定申告は不要です。しかし、以下に該当する場合などは確定申告する必要があります。

  • 給与の年間収入が2,000万円を超える場合
  • 不動産投資をして、不動産所得がある場合
  • 副業の所得金額が20万円を超えた場合
  • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税以外の寄附金控除などを受ける場合

また個人事業主の場合も、確定申告を行っているため、ワンストップ特例制度は使えず、確定申告によってまとめて申告をする必要があります。

不動産投資をしていると、ふるさと納税の上限がアップする可能性があります

不動産投資を始めて黒字になる、つまり不動産所得があると、所得の合計金額が増えるため、ふるさと納税の控除の限度額も増える可能性があります。

不動産所得とは、家賃などの収入から経費をマイナスしたものです。

不動産所得の金額=総収入金額-必要経費

不動産所得があれば、よりたくさん応援したい地方に寄付ができ、多くの返礼品を受け取ることができるようになります。

ふるさと納税のポータルサイトでは、不動産所得や事業所得など複数の収入がある場合の詳細なシミュレーションができるサービスもあります。そのようなサイトでは、給与所得以外の所得を含めた控除限度額が試算できます。

ワンストップ特例制度とは

ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除が受けられる制度です。

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、身分を証明する書類の写しとともに寄付先の自治体に送付すれば申請完了です。自己負担額の2,000円を差し引いた金額が、住民税から控除されます。

確定申告をする必要がない人にとって、簡単な手続きで控除が受けられるのは大きなメリットでしょう。ただし、以下に該当する場合は確定申告しなければなりません。

  • 寄付先が5自治体を超える場合
  • ワンストップ特例の申請書を期限までに提出しなかった場合

申請書はすべての寄付先に送る必要があります。また5自治体までの寄付のみとなっています。自治体が同じでも2回寄付をしたら書類は2枚必要となります。うっかり送付し忘れていた分があったり、6自治体以上に寄付を行ったりした場合には、ワンストップ特例制度を利用できません。

また、ワンストップ特例制度を利用した後に確定申告を行う必要が出てきた場合、申請書は提出していても無効となります。ワンストップ特例で申請した分も、確定申告で改めてふるさと納税を申請しなければならない点に注意しましょう。