サッカーにおけるトップ下は花形の中心選手で背番号10番の選手が主にプレーするポジションです。ただし、現代サッカーでは、攻撃ができるだけのトップ下は絶滅寸前であり、攻守に貢献することを求められます。昔は、攻撃ばかりクローズアップされてきましたが、現代のトップ下は様々な役割が課さられます。難しいポジションですが、トップ下をこなせる選手は攻撃的な位置ならばどのポジションでも使われます。この記事では、現代サッカーにおけるトップ下の役割や動き方について解説します。

目次
サッカーにおけるトップ下って?
トップ下に求められる役割は?

サッカーにおけるトップ下って?

サッカーにおけるトップ下とは一言で言えば花形の中心ポジションです。 チームで1番攻撃センスがある中心選手が担うポジションです。

パス、ドリブル、シュート、すべてが問われるポジションですが、一列下がり、ビルドアップに参加したり、守備貢献度を求めれられるなど、現代のトップ下は攻撃のことだけを考えれば良いと言う訳でもありません。

攻撃センスは勿論ですが、守備や後ろの組み立てに貢献できるオールマイティーな選手が好まれるケースが多いです。

トップ下に求められる役割は?

トップ下に求められる役割として、攻撃から守備まで、様々な役割があり、オールマイティーな選手が担う時代になりました。 攻撃的なポジションですが、守備から入るチームは、守備的な選手が担うケースもあります。

これから、攻撃の役割から守備の役割まで解説します。

攻撃

トップ下は攻撃的なポジションなので、求められる役割がとても多いです。ゴール前から自陣まで様々です。 以下の3つの役割を解説します。

  • FWに決定的なパスを送る
  • セカンドストライカーとしてゴールを決める
  • ビルドアップに参加する

FWに決定的なパスを送る

トップ下の選手がFWに 決定的なパスを送ることの重要性は、今も昔も変わりません。 FWの選手がゴールを効率良く決めるためには、トップ下から決定的なパスを供給してもらうことです。

トップ下は、FWと1番近いポジションでプレーするので、FWにパスを供給するシーンが多いです。

FWの選手が裏に抜け出し、DFに触れられることなく、FWの選手が追いつくパス出す必要があります。

とても難しいですがパスが通れば得点機会になるので危険な位置にパスを出せる選手は重宝されます。

ゴールも奪える選手になる

FWへのチャンスメイクだけでなく、 ゴールを決めることもトップ下の選手には求められます。 相手DFはゴールをさせないためにFWへのマークを厳しくしてきます。そうすると、FWはゴールを決めることが難しくなります。

しかし、トップ下の選手もゴールを奪える選手であれば、相手DFはトップ下の選手も警戒しなければならなくなるため、自然とFWへのマークが緩くなります。

相手DFからしたら相手チームにゴールを決めれる危険な選手が多ければ多いほど警戒しなければいけないポイントが増えるため、どうしてもどこかのマークが緩くなってしまうのです。

また、より相手にとって脅威となる選手になるには、様々なシチュエーションからゴールを決めれる選手になることです。裏に飛び出して決める。ドリブルで2~3人かわして決める。クロスから決める。様々なゴールを決めるパターンを持っていれば、相手も対応しにくいからです。

しかしそうは言っても、まずは自分の得意な形でのゴールパターンを磨くことが大切です。

皆さん自分の得意な形があると思います。ゴールパターンが多ければ多いに越したことはないですが、この形からは絶対にゴールを決められるというパターンを持っておくべきでしょう。

ビルドアップに参加する

なかなか攻撃の糸口が見つからずチームとしてボールを前に運ぶことができないときは、トップ下の選手が下がってビルドアップに参加することも求められます。 低い位置まで下がってビルドアップに参加することで、中盤で数的優位を作ることができ、ボールを前に運びやすくなります。

しかし、ビルドアップばかりに参加して先ほど挙げたチャンスメイクとゴールを決めることができなくなってしまっては、一番重要な役割を果たせなくなるので、全てのビルドアップに参加する必要もありません。

いつ下がってビルドアップに参加すべきかを見極める力も必要になります。

守備

現代サッカーにおけるトップ下は、昔と違い、守備貢献度も求められます。

以下の3つのポイントを解説します。

  • 相手DFへのプレスとパスコースの限定
  • 相手DFと味方FWが競り合った後のルーズボールの回収
  • 攻撃→守備への切り替えの早さ

相手DFへのプレスとパスコースの限定

トップ下の選手は前線から守備をすることも求められます。 チームによっては高い位置でボールを奪取し、一気に得点チャンスを作るために、前線から圧力をかけ、相手DFにプレスに行くこともあります。

相手DFにプレスをかけ、そこでボールを奪うことができれば、一気に得点のチャンスが広がります。また、奪うことができなかったとしても、プレスをかけたことによって、相手DFのパスコースを限定することができます。

そのプレスのおかげで、後方の味方の選手は次にどこにボールが出てくるのかを予測することができ、奪いやすくなります。

トップ下は最前線にいるので、ファーストディフェンダーとして、どう貢献するか、チームのやり方を理解し、役割を遂行する必要があるのです。

相手DFと味方FWが競り合った後のルーズボールの回収

空中に浮いたボールをヘディングで競り合って、そのこぼれたボール(ルーズボール)をたくさん回収できるチームの方が、有利に試合を進めることが出来るのがサッカーの特徴でもあります。 そのため、最もFWに近い選手であるトップ下の選手は、味方FWが相手DFと競り合ったルーズボールを回収することも求められます。

このルーズボールを回収するには競り合った後、どこにボールがこぼれてくるかを常に予測し、そのルーズボールを拾えるポジションにいることが大切になります。

攻撃→守備への切り替えの早さ

現代サッカーは、非常に試合の展開が速く、攻守の切り替えの速いチームが有利に試合を進めることが出来ます。 トップ下も例外ではなく、攻撃のプレーに失敗してしまい、ボールを失ってしまったら、すぐに守備に切り替える事を求められます。

攻撃の際、チームが相手ゴール付近でボールを奪われたら、トップ下の選手は攻撃の選手であるため、ボールに近い可能性があるため、素早く切り替えて、 再びボールを奪い返すことができればビックチャンス になりやすいです。

なぜなら、相手の守備が強固な場合は、この切り替えによって奪い返した時が 相手守備陣も一瞬隙が生まれやすい からです。

また、 切り替えによってボールが奪えなくても 、カウンターを阻止する、または、攻撃を遅らせることができるので、チームにとっては重要な役割となります。

この攻守の切り替えを怠ってしまうと、守備が手薄な状態であるためカウンターを受け、失点をするリスクが高まります。

そのため、攻守の切り替えの速さはトップ下にとってなくてはならないスキルです。