和のイメージはアピールせず、日本のものづくりを愚直に発信

海外売上が8割を超えるオニツカタイガーだが、鹿目氏は「和を醸し出すイメージは打ち出さず、あくまでもファッションブランドとしてのイメージでブランディングしている」と言い切る。

オニツカタイガーの平均客単価は1万5000円~1万7000円だが、平均3万円と高級ラインの『NIPPON MADE』というシリーズがある。上質な素材、染めや縫製の細かい部分にまでこだわり、ものづくりそのものを通して日本らしさを世界に発信し続けようという想いを込める。

店舗とECサイトの役割を明確化し、ブランド力を最大化

世界で売れるオニツカタイガー、“ファッションブランド”として復刻した理由とは?
(画像=ロンドン・リージェントストリートの旗艦店、『DCSオンライン』より引用)

直営店の出店も加速させている。中でも、東京・表参道、ロンドン・リージェントストリートにある旗艦店は、商品を体験できる場としてだけでなく、地域のコミュニティースペースとしての役割を持たせてオニツカタイガーの世界観を伝える。今後はアジアへの出店も増やす計画だ

ECサイトは、ブランドを発信するメディアとしての役割を担っており、コンテンツを充実させることで店舗への来店客を増やすことを目的としている。特に、『オニツカタイガーマガジン』という著名人も多く出演するウェブマガジンの存在は欠かせない。他社に先駆けてデジタルマーケティングを活用してきたオニツカタイガーでは2011年からこのウェブマガジンをスタートさせており、重要なブランドマーケティングツールとして発展させてきた。EC化率の伸びもあり、「今後はコンテンツをさらに充実させていく」と鹿目氏は言う。

世界で売れるオニツカタイガー、“ファッションブランド”として復刻した理由とは?
(画像=公式ウェブマガジン「オニツカタイガーマガジン」、『DCSオンライン』より引用)

また、SNSでも積極的にプロモーションを発信していく考えだ。各国合計のインスタフォロワー数は約102万(2022年2月現在)に達するが、今後はよりロイヤリティーの高いフォロワーを増やすことに注力する。