ダイアゴナルランっていつ使うの?

相手守備陣を混乱に陥れるダイアゴナルランですが
使うタイミングは、どのようなときがベストなのでしょうか?

無駄になってしまわないようにダイアゴナルランを使うべき有効なタイミングについて解説しました!

  • ペナルティエリアへの侵入
  • ディフェンスラインの背後を取る
  • サイドで裏を取る

まず「ペナルティエリアへ侵入するとき」がダイアゴナルランを使うのに有効なタイミングです。

主にサイドの選手が、中央のペナルティエリアに侵入します。

ボールから離れていて、ゴールからも離れているサイドの選手がゴール前めがけてダイアゴナルに走ってくると、高確率でフリーでボールを受けられます。

相手センターバックはボール保持者やトップ下など中央の選手のケアをしているので
斜めの動きに対応できず、とても有効な動きとなるのです。

「ディフェンスラインの背後を取る時」もダイアゴナルランが有効に機能するシーンの1つです。

現代サッカーではハイライン戦術が流行しており、2019年のJ1リーグ覇者の横浜F・マリノスも採用している戦術ですが
相手守備陣の最終ラインが高いときに、ダイアゴナルランは有効です。

例えばボールを保持しているサイドとは逆サイドの選手が、相手サイドバックの裏から、
または相手サイドバックとセンターバックの間から、ダイアゴナルに走り出します。

相手ディフェンダーの目がボールに行っている瞬間に走り出し、ボールを引き出すことができれば
ディフェンスラインの背後で、フリーでボールを受けることができ、ビッグチャンスにつながります。


今までサイドの選手が斜めに走り出し、中央でボールを受けるダイアゴナルランを紹介してきましたが
今度はセンターフォワードなどの中央の選手が、サイドを有効に使うための「サイドで裏を取る」ダイアゴナルです。

例えば味方のサイドバックがボールを保持しており、
ウイングがデコイランの動き出しで少し下がり、ボールを受けに行こうとします。

ウイングがボールを受けに行くと相手のサイドバックがマークにつこうと動き出し
一時的にサイドバックの裏のスペースが空きます。

その空いたスペースに中央からサイドにダイアゴナルに走り出せば
サイドからチャンスが作り出せるのです。

ダイアゴナルランのメリット

ダイアゴナルランを使う具体的なメリットを挙げていきましょう。

相手守備陣を錯乱させることだけでなく、さまざまな副産物も生み出します。
ダイアゴナルランのメリットをよく理解すれば
なぜダイアゴナルランが、重要な戦術として機能しているのかが分かるはずです。

  • マークを外すことが出来る
  • スペースを作ることが出来る
  • ボールとゴールを視野に
  • オフサイドになりにくい

ダイアゴナルランの最も明確なメリットは、相手のマークを外すことができることです。

例えば、相手が4バックで、センターバックが2枚いるとします。

相手のセンターバックは基本的に中央の選手へ目を光らせています。

そこで右ウイングの選手がダイアゴナルランで中央に入ってくると
まず相手の左センターバックの視界に入り、マークしようとケアをしに来ます。

しかしそこからさらに中央に切り込む走り出しをすることにより
今度は相手の右センターバックにマークの受け渡しをしなければならなくなります。

ダイアゴナルに走りこんできたウイングの選手のケアだけでなく
元から中央にいた選手やボール保持者にも注意を払わなければいけないません。


ダイアゴナルランが、相手守備陣にとって、どれだけ嫌な動きかが分かりますよね。

味方に有効な「スペースを作りだすことができる」という点もダイアゴナルランの大きなメリットの一つです。
特に有効なのは、中央の選手がダイアゴナルランでサイドに流れる動き出しを行うことにより
中央にスペースを作ることができるケースです。

相手からするとゴールから遠いサイドに広大なスペースが生まれることよりも
失点の可能性が高まる中央やゴール前に大きなスペースができてしまうことのほうが、明らかに脅威となるからです。


視野を確保したまま走り出せるという点も、ダイアゴナルランならではのポイントです。

特にサイドの選手が中央に向かってダイアゴナルに走り出した場合により効果が大きくなります。

斜めに動き出せば、ボールとゴールを視野に入れながら走りこむことができます。

ボールとゴールを見て走り込めれば、その後のコントロールも上手くいく可能性が高まるので
相手にとっては脅威に、自分にとっては大きなメリットになるのです。


センターフォワードが直線的にディフェンスの背後を取りに走り出す場合は
相手ディフェンダーはフォワードとボールを同時に視野に入れることができるので
オフサイドにかかってしまいやすくなります。

しかしサイドからダイアゴナルに動き出せば相手ディフェンダーの視界の外から入っていくことができ
斜めに動いているため最終ラインを超えにくいのでオフサイドにかかりにくいのです。