ニートを続けて生活に困っても「いざとなれば生活保護で生きていける」と思っている人もきっといるのではないでしょうか。

生活保護は確かに「人が最低限度の生活を送るためにある救済制度」ですが、ニートは生活保護を簡単に受け取ることはできません。

なぜなら、生活保護を受給するためには、様々な条件を満たしている必要があるからです。

今回の記事では、以下の点について詳しく解説していきます。

  • 生活保護の受給金額
  • ニートが生活保護を受給するための条件
  • 生活保護の受給が停止してしまうケース
  • 生活保護の申請方法

「生活保護について知りたい」、「ニートでも受け取れるケースがあるとはどういうことなのか気になる」という方にぜひ読んでいただきたい内容です!

目次
ニートが生活保護を受給した際にどのくらいの受給額になるのか
ニートが生活保護を受給できる条件

ニートが生活保護を受給した際にどのくらいの受給額になるのか

ニートが生活保護を受給する4つの条件と方法
(画像=『キャリアゲ』より引用)

生活保護とは、生活に困っている人に対して「最低限度の生活を保障し、自立をサポートするための制度」です。

仕事をしていないニートは収入がないために生活困窮に陥ることがあります。

この場合も条件を満たせば生活保護が受給できるのです。(条件については後ほど詳しく解説します。)

この章では、生活保護で受給できる金額について、例を挙げながら解説していきます。

基準となるのは最低生活費

生活保護で受け取れる金額は、「最低生活費」を基準に算出されます。

最低生活費とは
最低生活費=生活扶助(第1類+第2類) + 住宅扶助

生活扶助は生活費のことで、食費や衣服費、光熱費などが含まれます。

項目によって第1類と第2類に分類されています。

住宅扶助は家賃などの住宅費のことを指します。

最低生活費は居住地・世帯人数・年齢により定められているため、人によってさまざまです。

最低生活費の目安

生活保護の受給金額を知るためには、最低生活費がいくらであるかを知る必要があります。

ここで、東京都23区と愛知県名古屋市で一人暮らしをしている20代を例に挙げ、最低生活費の具体的な金額をお見せします。

▼東京都23区内で一人暮らしをしている20代の場合

項目金額
生活扶助第1類47,420円
生活扶助第2類28,890円
住宅扶助53,700円
合計金額130,010円

▼愛知県名古屋市で一人暮らしをしている20代の場合

項目金額
生活扶助第1類38,430円
生活扶助第2類40,800円
住宅扶助37,000円
合計金額116,230円
参照:厚生労働省ホームページ「生活保護制度」

東京と名古屋では最低生活費が24,000円ほど異なることが上記の計算結果から分かります。

ダルマちゃん 物価や家賃相場も違うからね。東京23区に住む人は、それだけ生活費が高くつくってことだよ。

この他にもここでは紹介しきれないほど様々なパターンがあるため、あくまで参考にしていただければ幸いです!

生活保護で受給できる金額は最低生活費と収入の差異。

つまり、最低生活費に満たない収入であれば、収入金額だけで見ると生活保護受給条件に該当していることになります。

ニートが生活保護を受給できる条件

ニートが生活保護を受給する4つの条件と方法
(画像=『キャリアゲ』より引用)

ニートが生活保護を受けられる可能性は低いものの、絶対に不可能であるとは言えません。

ここでは、ニートが生活保護を受給できる場合の条件を4つ挙げています。

これら4つの条件を全て満たすことができれば、生活保護受給の条件はクリアできます。

あなた自身のケースに当てはめて考えてみてくださいね。

ユーくん 生活困窮してるんだから割と簡単に生活保護は受給できると思ってたけど、そうではないんだね。

ダルマちゃん そう。不正受給を防ぐためにも入念な審査があるし、そもそもの条件が結構厳しいよ。

1.世帯収入が最低生活費を下回る

お住まいの地域や家族構成により、定められた「最低生活費」があります。

あなたとあなたの同居家族の収入合計である世帯収入が最低生活費を下回る場合には、生活保護受給の対象になります。

生活保護で受け取れるのは「最低生活費−世帯収入」の金額となり、受給対象と認定されても最低生活費全額が受け取れるわけではありません。

ダルマちゃん 最低限の生活に必要な金額をおぎなうだけの金額が国から支給されるってことだよ。

ユーくん そうか。足りない分がもらえるってことなんだね!

2.病気や怪我で働くことができない

病気や怪我が理由で働こうにも今は働くことができない、という状況であれば生活保護受給の対象になります。

そもそも生活保護は、本人が「仕事をしたくてもできない」状況にある場合に、生活費を支給するというもの。

単に、ニートでいたいから、働きたくないから、という人にはまず生活保護は支給されません。

しかし、この場合「同居している家族に十分な収入がない」ことが条件。

結局、病気や怪我で仕事ができなくても、実家で親が養ってくれているとなると生活保護は受給できないのです。

ユーくん 自分が仕事ができない状況なら必ず生活保護の対象になるというわけじゃないってことか。なるほど!

肉体的・精神的に障害があり、働くことができない場合は、障害者として生活保護を受給できます。

ただし、障害者ならニートでも生活保護が受けられるという訳ではありません。

障害があっても、お金や資産があったり、同居する家族の収入が多い場合は難しいでしょう。

3.預貯金・現金・保険・土地・家・車などの財産がない

収入が全くない場合でも、口座に預貯金があったり何かしらの財産を持っていたりすれば、それが理由で生活保護受給の審査に落ちてしまいます。

そのため、ニートが生活保護を受けるとすれば、

  • 預貯金
  • 現金
  • 保険
  • 土地
  • 自家用車
  • 持ち家

などを所有していないことが条件となります。

財産となり得るものを持っているなら、「まずは全部売却してお金を得ましょう」となるからです。

基本、10万円以上の現金があればまず生活保護の申請は通らないと言われています。

しかし、必ずしも10万円未満であれば生活保護受給の対象になると決まったわけではありません。

預貯金に関しても明確な金額が分からないものの、「残高が3万円あったことで、まずはそれを生活費にあててやりくりしてね」と申請の段階で却下されたという話もあります。

4.家族による経済支援が受けられない

ニートの多くは実家暮らしです。

自分が働いていなくても、親が生活に困らないだけの収入を得ていれば生活保護は受けられません。

一方で、例えば両親が他界してしまった、もしくは病気で働けなくなった、などの場合には生活保護が受けられる可能性があります。

重要なのは、家族からの経済支援が一切受けられないことを証明すること。

これができれば生活保護の受給ができる可能性が一気に高まります。