その利便性から、電気・ガス・水道などの公共料金をコンビニエンスストアで支払っている人は多い。しかし、支払い方法を変えるとポイント獲得などにより公共料金を実質的に安くすることが可能だ。

コンビニでの公共料金支払いは手数料不要

コンビニで各種料金を支払える「収納代行」には、手数料がかかる。しかし、電気・ガス・水道といった公共料金は手数料不要で、料金分だけを支払えばよい。ただし、ポイントなどのリターンは特にない。

セブン-イレブンでは「nanaco」払いでポイント獲得可能

コンビニでの公共料金支払いは、原則的に現金のみである。クレジットカードや電子マネーは使えない。ただし、セブン-イレブンのみ例外的に電子マネー「nanaco」による支払いが可能だ。「nanaco」では公共料金の支払い分へのポイント付与はないが、クレジットカードから「nanaco」へチャージするとそのカードのポイントを獲得できる。

「nanaco」へチャージできるクレジットカードは「セブンカード・プラス」のほか、「Apple Pay」に「nanaco」を登録することで、国際ブランドがMasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレスのクレジットカードでチャージできるようになる。

ただし、アメリカン・エキスプレスの自社発行カードは「nanaco」へのチャージ分がポイント付与対象外である。ほかにも同様にポイント付与対象外となるカードがあるので、チャージ時にはよく注意したい。

「nanaco」へのチャージにおすすめのクレジットカードは、1.2%の超高還元率を誇る「リクルートカード」だ。このカードではVISA、MasterCard、JCBから国際ブランドを選べるが、VISAはチャージ対象外。JCBはチャージ分の還元率が低くなるため、事実上、MasterCard一択と考えてよい。

ポイント付与対象となるのは、ほかの電子マネーへのチャージ分も合わせ月間3万円分までで、それを超過した分への付与はない。

バーコード決済の請求書払いで1.5%還元も

支払い先によっては、スマホのバーコード決済による公共料金の支払いも可能だ。請求書払いと呼ばれるその方法では、請求書(払込票)のバーコードをスマホでスキャンし、事前にチャージしてある残高を使ってバーコード決済を行う。

ここでは代表的なバーコード決済のうち、請求書払いがポイント付与対象の「PayPay」と「au PAY」を紹介する。

「PayPay」請求書払い

「PayPay」の請求書払いでは、0.5%~最大1.5%分のポイントが付与される。「PayPay」には「PayPayカード」「ヤフーカード」によるクレジットチャージが可能だが、その分はポイント付与対象外だ。

ポイント還元率は通常0.5%だが、1ヵ月の間に「PayPay」での300円以上の支払いを30回以上行い、かつ5万円以上を利用すると翌月の還元率が1%になる。加えて、PayPayやYahoo!JAPAN関連サービスの利用などの条件を全て満たすと、さらに0.5%分が加算されて合計1.5%還元だ。

なお、ポイントアップ分は1回7,500円分、対象期間中1万5,000円分までが付与対象となる。

「au PAY」請求書払い

「au PAY」の請求書払いでは、0.5%分のポイントが付与される。クレジットカードからチャージして請求書払いを行うと、ポイントの2重取りも可能だ。

「au PAY」にチャージ可能なクレジットカードには1%還元の「au PAYカード」のほか、MasterCardとアメリカン・エキスプレスブランドの全てのカード、VISA・JCBブランドの一部カードが該当する。ただし、「au PAY」へのチャージ分がポイント付与対象外となるカードもあるので、チャージ前によく確認した方がいいだろう。

クレジット決済・口座振替はどちらがお得?

払込票を使った都度払いではなく毎月の公共料金が自動的に支払われる形であれば、金融機関からの口座振替のほかクレジットカードの利用も可能だ。

クレジット決済にする場合、ポイント還元率が高いカードほど当然お得である。カードによって公共料金の支払い分がポイント対象外であったり、ポイント付与率が通常より低くなったり高くなったりする。クレジット払いの登録前によく確認しておきたい。

一方、金融機関からの口座振替では一般的にポイントは付与されないが、一部銀行でポイントが付与される。公共機関側で口座振替割引が適用されることもある。例えば、楽天銀行では利用状況に応じて口座振替1件ごとに1~3ポイントが付与、東京電力では1月55円(税込)が割引される。

しかし、ほとんどのケースでは口座振替よりもクレジット決済が、リターンの面でお得と考えていいだろう。

ベストはクレジット決済か「au PAY」請求書払い

支払い忘れがない利便性も考慮するなら、公共料金の支払いにおける還元率の高いクレジットカードを選んだ上でのクレジット決済がベストだ。

一方、事情があり都度払いにしたいなら、「au PAY」の請求書払いがいいだろう。「au PAYカード」でチャージした場合に合計1.5%還元となるバーコード決済「au PAY」との組み合わせなら、同じポイントでまとまることもあってベストチョイスといえる。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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