大切に愛用したい、足を優しく包み込んでくれる一足を紹介しよう。新しい奈良の革靴「KOTOKA(コトカ)」から奈良の墨で染めた革でつくった限定品が発売される。
奈良の伝統の魅力がつまった靴づくり「KOTOKA」
奈良の靴メーカー7社が共同開発し、分担して製造、そしてウェブサイトを通して販売する、「KOTOKA」。日本有数の革靴産地、奈良の靴づくりを知ってもらう目的のもと開発された。
素材を生かし、簡素さの美を表現し、歳月が深める表情を楽しむ。そうした日本の感性をもって、自然な肌目を持った日本の革を厳選してつくられた「KOTOKA」。一枚の革が優しく足を包み込む履き心地、奈良らしい落ち着きと安らぎを感じることができる革靴に仕上がっている。
手間暇かけて作られる日本製の逸品
墨は奈良の名産品。1400年前から変わらない手作業によりつくられ、国内の生産のほとんどが奈良県内に8箇所ほどある工房で生産されている。菜種油の煤(すす)と膠(にかわ)を練り合わせた練り墨を型にはめて何年もかけてゆっくり乾かし、手間暇をかけてつくられる。
墨の色素は粒子が大きく革を染めるのに適しているとはいえないが、今回は、試行錯誤を重ね、七代続く奈良の墨工房「錦光園」の協力を得て製造。練り墨からつくった墨液で、植物タンニンでなめした和牛の革の銀面(表面)を染め、墨だけが持つ、素朴で暖かい色合いを出すことに成功した。