直感に逆らう確率問題は単に条件をよく見ていないだけ

これは言われてみれば当たり前、という簡単な話です。難しい確率計算の数式さえ登場する必要はありません。

直感に逆らった問題と言われるものの多くは、このように人間が思い込みで問題の条件を取り違えていることから発生している場合があります。

例えば、似たような直感に逆らう有名な確率問題に「誕生日のパラドックス」というものがあります。

「誕生日が同じというペアが存在する確率は、何人以上のクラスなら50%を超えるでしょう?」というのがその問題です。

多くの人々が混乱した「モンティ・ホール問題」直感に逆らう確率問題の原因は?
(画像=1クラスに何人の生徒が集まれば、同じ誕生日のペアが50%以上の確率で生まれるでしょう? / Credit:depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

この問題の正解は23人です。学校の1クラスの人数はだいたい30~35人くらいなので、かなり高い確率で誕生日が同じというペアがいることになります。

これはなんだか思っていたより高い確率だ、と感じる人が多いでしょう。

しかし、この問題はクラスで365の数字の中から無作為に数字を生徒が順々に選んでいったとき、何人目で同じ数字を選んでしまう人が出るでしょう? と聞いているのと同じです。

この場合、23人目まで順番が回ってくれば50%の確率で被った数字が選ばれるというのは、それほど不思議な話ではないと思います。

この問題についても、直感に逆らうと言われる理由は問題条件の勘違いに原因があります。

多くの人は誕生日が一緒なんて人に出会うとちょっと運命的なものを感じてしまいます。

そういう感覚を引きずっているために、相当確率は低いだろうと考えてしまうのです。

「何月何日でもいいからクラスに誕生日が同じ人が2人いる確率」と、「自分の誕生日と同じ誕生日の人がクラスにいる確率」を混同してしまっているのです。

例えば、自分と誕生日が同じ人が23人のクラスにいる確率を計算してみましょう。答えは約6%です。

この答えはおそらく直感にかなり近いのではないでしょうか?

直感と違う! となってしまう問題の多くは、単に思い込みで問題内容をよく確認せずに考えるから起きてしまうのです。確率問題にかかわらず、そんなことは意外と身近に多いのかもしれません。

ちなみにモンティ・ホール問題は、ここのサイトで体験することができます。選択を変えた場合と変えない場合、どちらのほうが当たるでしょうか?

提供元・ナゾロジー

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