少額から気軽に始められるので初心者にも人気が高い投資信託。しかし、いざ証券会社で口座を開設して商品を選ぼうとすると、選択肢が非常に多くて悩んでしまうのではないでしょうか? 初心者の方が疑問を感じやすいポイントについて、解説します。
目次
投資信託にはどのような種類がある?
・投資する国や地域はどこ?
・投資する対象はなに?
・運用スタイルは?
・そのほか特徴的な商品も
初期費用はいくら必要?
投資信託にはどのような種類がある?
投資信託はここ数年、約6,000本のファンド(2020年9月末時点では5,903本)があり、初心者の方はどんな商品に投資をすればよいか迷ってしまうでしょう。
しかし、「どこの国」の「何に」投資するかの組み合わせで、おおよその投資信託に絞れます。また、運用のスタイルによっても商品を絞ることができます。
投資信託にはさまざまな分類の仕方がありますが、今回は「どの国」の「何に」投資するか、という観点で分類していきます。
投資する国や地域はどこ?
大きく分けると国内か海外かの2つです。国内と海外の両方に投資する「内外」という商品もあります。海外はさらに先進国か新興国かに分類できます。
投資する対象はなに?
株式、債券、不動産、その他(コモディティ、ヘッジファンドなど)の4つに分けられます。加えて、さまざまな金融商品が組み入れられている投資信託「バランス型」もあります。
株式
株式会社が、投資家から広く資金を集めるために発行しているのが株です。株取引を行うことで、その株式会社が利益を出せば「配当金」を得られます。また、購入時よりも株価が上がっていれば、売却時に値上がりした分の利益を受け取れます。
株価は会社の業績に沿った動きをするため、投資家は会社の将来にお金を託すかたちになります。いい会社だな、応援したいな、伸びそうな会社だな、と注目の会社を見つけて投資すれば、会社の成長に応じた報酬を受け取れるので、長期で運用するひとつの方法として考えられます。
債券
国や企業が活動するために、自分のお金を貸した証拠として発行されるものが債券です。投資家はお金を貸す代わりに一定の利息をもらい、最終的には貸したお金も返してもらう、という商品です。
値動きがあまりないのでローリスク・ローリターンといわれています。
不動産
不動産投資信託は不動産投資の一種で、REIT(リート)とよばれています。REITは上場している投資信託で、株式と同じように金融商品取引所で売買ができます。
投資の仕組みは投資家から集めたお金でさまざまな不動産を購入して、得られる賃料や不動産の売買益から分配金を得ます。
その他(コモディティ、ヘッジファンドなど)
その他、金などのコモディティや、私募投信で限られた人が購入できるヘッジファンドなどがあります。コモディティとは、金や原油、小麦などの商品先物取引所などに上場されている商品に投資をするというものです。その金現物市場を代表する指標に連動するよう運用するような投資信託があります。
運用スタイルは?
運用スタイルは「パッシブ運用」と「アクティブ運用」の2つがあります。
パッシブ運用は市場全体の動きと連動するように運用する方法のことです。例えば、日本株ならTOPIX(東証株価指数)と同じように動くことを目指します。「インデックスファンド」ともよばれます。
一方のアクティブ運用はファンドマネージャーが値上がりしそうな銘柄を選ぶなど、指数を上回る成果を目指して独自の運用を行うものです。ファンドマネージャーの主観で決まるので、商品によって特徴が違います。
パッシブ運用の方が、アクティブ運用より手数料が低いのが一般的です。アクティブ運用の方が、銘柄選びなどファンドマネージャーの手間がかかるためです。
そのほか特徴的な商品も
投資信託にはいろいろなニーズに応える商品がほかにもあります。株のようにリアルタイムな取引ができる「EFT」(上場投資信託)は運用コストが低く、手数料が安いという特徴があります。数千円から始めることができます。
安全性を重視したい人には、「MRF」(マネー・リザーブ・ファンド)も見逃せません。MRFは元本割れのリスクが低い短期債を中心に投資をするものです。普通預金と近い感覚で、1円単位でいつでも入出金ができます。証券口座に入金すると自動的に運用されます。
似ている商品で「MMF」(マネー・マネジメント・ファンド)というものもあり、こちらはMRFと違い、購入と解約の手続きが必要です。MRFよりも利回りは良いですが、30日未満の解約は手数料がかかります。
初期費用はいくら必要?
投資信託を始めるのに必要な経費は大きく3つで、初期費としてかかる手数料は商品の購入時にかかります。そして、投資しようとする対象に支払う購入代金が必要です。
投資信託は商品にもよりますが、スポットで購入する一括投資であれば1万円程度から始められます。毎月一定の金額で投資信託を購入する投信積立の場合、100円から始められるものやカードのポイントを利用して実質0円から始められるケースもあります。
手数料については、基本的に購入時に発生しますが、「ノーロード・ファンド」とよばれる販売手数料が無料の投資信託もあります。