自由に薬が作れるようになるまで、人類の薬箱は母なる自然にありました。

人類は古くから、あらゆる植物を傷薬や精神薬として利用し、その知識は現代医学にも繋がっています。

現在でも、植物を使った漢方薬やサプリはたくさんありますね。

今回は、人類が昔から頼りにし、医療効果が知られている4つの植物をご紹介します。

目次
認知症に効く「ターメリック(ウコン)」
吐き気止めの「マリファナ(大麻)」

認知症に効く「ターメリック(ウコン)」

自然は人類のくすり箱「医療効果をもつ植物」4選
(画像=ウコンの根茎と粉末 / Credit: ja.wikipedia,『ナゾロジー』より 引用)

ターメリックは、インドを原産とするショウガ科ウコン属の植物。

その健康効果は、主要な活性成分である「クルクミン」にあります。

日本では主に二日酔い対策のドリンクとして使われていますが、最も重要な薬効は、認知症の予防です。

認知症は、脳細胞が減少、壊死すること(神経変性)で発症します。

代表的なアルツハイマー病は、アミロイドβというタンパク質が蓄積し、脳細胞が壊死し始めるのが原因です。

クルクミンには、この蓄積を抑える抗炎症作用があると言われます。

2018年の研究では、被験者に90mgのクルクミンを1日2回、18ヶ月にわたり投与した結果、記憶・注意力、認知機能が大幅に改善しました。

ちなみに、市販のウコン粉末はクルクミン含有率が低く、体にも吸収されにくいです。

しかし、コショウと一緒に摂取すると吸収率が大幅にアップし、効果が期待できます。

吐き気止めの「マリファナ(大麻)」

自然は人類のくすり箱「医療効果をもつ植物」4選
(画像=大麻 / Credit: jp.depositphotos,『ナゾロジー』より 引用)

大麻は、ほとんどの国で犯罪化されていますが、北米には合法薬として使っている地域もあります。

大麻には、化学療法患者の吐き気や嘔吐の予防、多発性硬化症の症状緩和といった薬効が証明されています。

アメリカ食品医薬品局は1985年に、大麻草から得られるカンナビノイドをベースとした吐き気止めの薬を承認しました。

また、多発性硬化症でも、世界30か国以上で、大麻樹脂から得られるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を用いた治療が認可されています。

THCには、筋肉の硬化を緩和して、可動域を広げ、痛みを減らし、睡眠を改善する薬効があります。

一方で、大麻から望ましい効果を得るには、まだまだ多くの調査が必要です。

投与量や摂取方法など明確になっていない部分もあり、過度に使用すると、精神的な毒性を示します。