新型のJB64型ジムニーは、先代のJB23型と比較すると、実はボディサイズという点ではそれほど大きく変わっていません。ですが、軽自動車枠を最大限活かした空間設計により、居住性や使い勝手が大幅に向上しています。
文/写真・山崎 友貴
全長・車幅・全高などの細部のサイズを見直してスペースユーティリティーを改善
デザインという点では、新旧まるで異なっているジムニーですが、各部をじっくり見てみましょう。まずはボディサイズから…
■ 新型ジムニーのボディサイズ:全長3,395㎜×全幅1,475㎜×全高1,725㎜
■ 旧型ジムニーのボディサイズ:全長3,395㎜×全幅1,475㎜×全高1,715㎜
実はボディサイズで変わっているのは全高のみで、従来比で+10㎜。これは計測ポイントが新旧で異なるため、実際のルーフ高の差は20㎜程度です。
ただし、タイヤのサイズアップによるところもありますので、アッパーボディーのサイズが大きく変化しているということではありません。
その他、ホイールベースとトレッドは旧型と変わっていません。
■ 新型ジムニーのホイールベース(旧型ジムニーも同様)
2,250mm
■ 新型ジムニーのトレッド(旧型ジムニーも同様)
前:1,265mm 後:1,275mm
これは、軽自動車枠という限定された条件の中で、従来から最大限のサイズを確保していたからだと言えます。しかし、ユーザーがなかなか見えない部分で変化はあります。
例えば、前席のアクセルペダルからヒップポイントまでの距離は+30㎜、前席と後席間の距離は+40㎜拡大しています。これは、室内空間の居住性がアップしたことを示しています。
次に室内寸法を見てみましょう。
■ 新型ジムニー:室内長1,795mm×室内幅1,300mm×室内高1,200mm
■ 旧型ジムニー:室内長1,685mm×室内幅1,220mm×室内高1,210mm
室内長+110㎜・室内幅+80㎜・室内高-10㎜と、全体的にみれば大幅に拡大していることが分かります。さらに前席のヘッドクリアランスは前席+50㎜・後席+40㎜と、こちらも大幅に改善されていることが分かります。
つまり、旧型から新型でボディサイズは異なっていなくても、室内の空間改善がなされており、居住性やスペースユーティリティーはグッと向上しているのです。
新型ジムニーとシエラのサイズ(大きさ)は何が違う?
ジムニーの普通車サイズであるジムニーシエラは、旧型のJB43型と比べると走行性能で大きな進化が見られるため、市場でも人気となっています。2019年11月現在で、納車まで2年待ちという状態。
一見すると、ジムニーにワイドフェンダーを装着しただけにも見える新型ジムニーシエラですが、どんなところが違っているのでしょうか。まずジムニーとの比較をする前に、新旧シエラの比較をしてみましょう。
■ 新型ジムニーシエラのボディサイズ:全長3,550㎜×全幅1,645㎜×全高1,730㎜
■ 旧型ジムニーシエラのボディサイズ:全長3,600㎜×全幅1,600㎜×全高1,710㎜
従来比で、全長-50㎜・全幅+45㎜・全高+20㎜となっています。さらにトレッドでは前後+40㎜・最低地上高+20㎜、それぞれ拡大されています。
■ 新型ジムニーシエラのトレッド:前1,395mm×後1,405mm
■ 旧型ジムニーシエラのトレッド:前1,355mm×後1,365mm
■ 新型ジムニーシエラの最低地上高:210mm
■ 旧型ジムニーシエラの最低地上高:190mm
室内寸法も比較してみましょう。
■ 新型ジムニーシエラの室内の大きさ:室内長1,795㎜×室内幅1,300㎜×室内高1,200㎜
■ 旧型ジムニーシエラの室内の大きさ:室内長1,690㎜×室内幅1,220㎜×室内高1,210㎜
室内長+40㎜・室内幅+80㎜・室内高+10㎜と、新旧ジムニー以上にシエラは車内が広くなっていることが分かります。エンジンも大幅に進化して、動力性能が向上しているわけですから、シエラの進化が販売台数増加に繋がっているのは確かです。
ではジムニーと比べるとどうでしょうか。
ボディサイズはジムニーが全長3,395㎜×全幅1,475㎜×全高1,725㎜、シエラは全長3,550㎜×全幅1,645㎜×全高1,730㎜と一回り大きくなっています。さらに、トレッドも前後ともにシエラの方が+130㎜ワイド化されています。
しかし室内寸法で見てみると、まったく同じ(ジムニーXGのみ室内長が25㎜短い)なのです。つまり、ジムニーとシエラのサイズ差は、走行性能のためであり、スペースユーティリティーに影響しないということです。