1833年創業の老舗時計ブランド、“JAEGER-LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)”。創業当初から、外装からムーヴメントまで自社で製造を行うマニュファクチュールブランドであり、世界3大メゾンに数えられるブランドにもムーヴメントを提供した歴史をもつ名門である。

 今回のWatches&Wonders 2022も参戦。そこで発表されたタイムピースにスポットを当てていこう。

》ジャガー・ルクルト – 新作コレクション01

ポラリス・パーペチュアルカレンダー

【2022年新作時計速報】ジャガー・ルクルト|天体からインスピレーションを受けた最新3コレクション
(画像=(左)Ref.Q9088180。SS。371万8000円。(右)Ref.Q9082680。K18PG。554万4000円。ともに42mm径。100m防水。自動巻き(Cal.868AA)、『Watch LIFE NEWS』より引用)

 まずひとつ目はポラリスコレクション。現代的なデザインと洗練されたスポーツ精神を融合したモデルを展開しており、ジャガー・ルクルトの象徴的なエレガンスに大胆なアレンジを添えた、ひと味違うラインである。
 新作はそんなスポーツ&モダンなコレクションに永久カレンダーを搭載。高級時計製造で最も複雑なコンプリケーションのひとつを投入することによって、さらにコレクションの幅を充実させた。

 “ポラリス・パーペチュアルカレンダー”に搭載された自社製キャリバー868AAは、2013年に初登場し高い評価を得ている自社製永久カレンダームーヴメントをブラッシュアップさせたもの。
 従来の北半球のムーンフェイズ表示に加えて、南半球のムーンフェイズのレトログラード表示が付属し、さらにパワーリザーブも70時間に増加。
 カレンダー表示に加え、ポラリスのシグネチャーである回転式インナーベゼルが経過時間を測定するという、実用的な機能を備えているのもポイントだ。

 天文現象と時間測定の関係をさりげなく想起させる、グラデーションになったディープブルーのラッカー仕上げが施された文字盤は昼から夜への移行を表現。
 調和と判読性に重点を置いたカレンダー表示およびムーンフェイズ表示は、四つのサブダイアルで表示。なおムーンフェイズ表示は従来の北半球のものではなく、南半球のレトログラード表示となっている。
 サブダイアルはそれぞれわずかに凹んでいるほか、ザラつきのある質感で仕上げることにより重厚感を生み出している。

》ジャガー・ルクルト – 新作コレクション02

マスター・グランド・トラディション キャリバー948

【2022年新作時計速報】ジャガー・ルクルト|天体からインスピレーションを受けた最新3コレクション
(画像=Ref.Q52834E1。K18WG(43mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.948)。世界限定20本。20万ユーロ、『Watch LIFE NEWS』より引用)

 ブランドは1930年から、複数のタイムゾーンを同時に表示できるタイムピースを製作している。デュアルタイムウオッチから、ジオグラフィークや傑出したキャリバー948 ワールドタイマーなどだ。
 それに付随するかのように、新作ではユニバーサルタイム(世界時間)を芸術的観点から新たに解釈した、壮麗な“マスター・グランド・トラディションキャリバー 948”を発表した。

 計時の奥深さと複雑さをさりげなく表現する文字盤は複数のパーツで構成。正面写真からはわかりづらいが、中央に配された世界地図は平坦ではなく、北半球の経度と緯度が形成するドーム型スケルトン上に配された文字盤の上に浮かんでいる。
 なおこの大陸の輪郭は、マニュファクチュールのメティエ・ラール工房の熟練した職人たちが製作。ホワイトゴールドのシートから切り出されたもので、シャンルヴェ・エナメルで装飾が施されている。
 ひとつのドームのエナメル加工に55時間かかり、製作総時間は合計約70時間。これらの入念な作業により、芸術とも言える1本が組み上げられている。

 一見、時刻を合わせるのが複雑そうではあるが操作は簡単。
 都市名の隣にあるリングに示される時刻(グレーカラーのリング)は、その都市のゾーンの時刻で、リューズで時刻を設定すると世界中のすべてのタイムゾーンが同期される。
 新しい場所を設定する場合もローカルタイムを同じリューズで操作。これにより、時針のみが1時間単位で前後にジャンプしながら動き、分と秒も正確に動き続けるという。