植物の細胞は単独でも自分の成長すべき方向がわかっているようです。

10月8日に『Current Biology』に掲載された論文によれば、植物の細胞は体から切り離されて単独の状態に陥ったとしても、成長する方向性を失わないことが判明したとのこと。

しかし、切り離された単一の細胞が、どうやって方向性を認識しているのでしょうか?

植物の成長方向は何が決めているのか?

植物の細胞はからだから切り離されても、単独で”自分の成長すべき方向”を認識している
花、葉、実、幹、根の位置が正しいのは植物に方向があるから / Credit:depositphotos(画像=『ナゾロジー』より 引用)

私たちに馴染み深い草木や花々は、成長の方向性を持っており、特定の方向に向けて成長します。

ひまわりがちゃんと頂上に花をつけるのも、桜の花が根ではなく枝先で咲くのも、植物の身体に一定の方向性があるからです。

この方向性は細胞レベルでもみられ、多くのタンパク質が細胞内の場所ごとに偏っていると知られています。

しかしながら、この上から下、あるいは下から上へ向けたタンパク質のパターンが、各細胞で独自に発生するのか、それとも多くの細胞の集合的な働きで形作られているのかはわかっていませんでした。

ただ古くから科学者たちは、後者の集合説を支持。多細胞生物は細胞が連携することによって生物として成立するため、個々の細胞に自分の方向性を認識する能力がなくても問題はないとする考えたのです。

しかしその常識が今回、くつがえされることになりました。