3つの異なる研究から、フランスとルーマニアの研究者が貧困などの「厳しい幼少期」を過ごした人が大人になって「権威主義的なリーダー」を好む傾向があることを発見しました。
Childhood harshness predicts long-lasting leader preferences
これら3つの研究は、「幼少期の貧困」といった大きなストレスが「理想のリーダー像」にどのような影響を与えるのかについて調査したものです。
研究1
ルーマニアで、6-8歳の貧困地域の子ども41人を対象に行われたこの研究。研究者は子どもたちに指導者の「顔写真」をみせて、その中から自分の好みを選んでもらいました。
その結果、支配的で不調和をいとわず、信頼できないとされる顔写真が、最も子どもたちの人気を集めました。
研究者はこの結果について、子どもたちにとっての「理想のリーダー」が環境からの大きな影響を受けることを示唆しています。貧困家庭で育つ子どもたちは、最も「強い」と思われる顔を好んで選択したのです。
研究2
幼少期に貧困などによって受けた「強いストレス」が、大人になっても影響を与えているかを調査したこの研究。今度は「大人」がいくつかの「顔写真」をみせられ、その中から投票したいと思う人物を選択しました。研究に参加したのは16-83歳の818人のフランス人です。
研究の結果、厳しい幼少期を過ごした人ほど力強く、支配的で、権威主義的なリーダーを選ぶ傾向がみられました。
これにより、幼少期の貧困などによるストレスの影響が、その後の教育水準などはお構いなしに大人になっても続いていることが分かります。