目次
フリーランスエンジニアの賢い単価交渉術
単価交渉の前に確認すべきポイント

フリーランスエンジニアの賢い単価交渉術

フリーランスエンジニアの賢い単価交渉術|実情と単価UPを狙うコツ
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

次にフリーランスエンジニアのための単価交渉術を

  1. 単価交渉の進め方
  2. 単価を10万円あげる方法
  3. 単価交渉を最速で終わらせる方法

の3つに分けてご紹介します。

単価交渉の進め方

単価交渉は大きく分けて次の3つのステップに沿って進められます。

  1. 商品に与えられる付加価値(交渉材料)を考える
  2. 商品に与えられる付加価値を提案し、お仕事の単価を上げてもらえるかどうか、お客さんに直接尋ねる
  3. 単価維持or単価アップ成功

フリーランスエンジニアは自分で商品価値を付けて売り出す必要があります。単価交渉では、自分で商品の価値を売り出し、お客さんへ提案することによって、商品に魅力を感じてもらいやすくします。

ここでポイントとなってくるのが、商品に与えられる付加価値です。内容がお客さんにとって優れているかどうかで単価交渉の成功が決まるといっても過言ではありません。

したがって、単価交渉を成功させたければ、お客さんにとって魅力的な付加価値を提案する工夫が必要です。その工夫をするには次の4つのポイントを抑える必要があります。

ポイント① 単価交渉材料になるもの・ならないものを理解する

単価交渉の材料になり得るものはさまざまですが、交渉材料となるものの特徴は大きく分けて2つ。

  • お客さんが価値を感じられるか?
  • 価値をある程度保証できるものかどうか?

前者は「有名企業での就業・取引経験」「SNSのフォロワーが1万人超」など、フリーランスとしてのブランドイメージ(権威性)が、後者は「納品の速さ」「作業量」など、仕上げる成果物に対しての労働的価値・結果がそれぞれ該当します。

単価交渉の際はこれらのことを意識して、賃金を上げてもらう交渉が必要になります。

駆け出しのうちは個人のブランドイメージが確立されているケースは極めて稀です。また成果物に対して、PVや問い合わせ数といった結果を条件に交渉するのは「成果が保証されていない」ものであるため、付加価値として相手に売ることは難しいです。

以上のことから、単価交渉を上手く進めるためにまずはできることを増やしつつ、作業量で単価交渉を行いましょう。

ポイント② 単価交渉のタイミングを見極める

交渉のタイミングは決められていません。

とはいえ、発注側の支払いの都合もあるので、プロジェクトを数サイクル回したあとや、月終わりに交渉して月初めに交渉結果をもらうなど。

お互いにとってキリの良いタイミングで交渉を進めましょう。

ポイント③ 期待値を超える結果を残す

ベテランエンジニアであっても、単価交渉に失敗するケースはあります。たとえばクライアントの期待値を超える結果を残せていないときです。

「3日で納品指定の機能の実装を3日で終わらせること」は、プロとしては当たり前。想定内の仕事をいくら継続しても、単価交渉の強い材料にはなりません。

以下のように、依頼された業務以上の成果を残しておくことが重要です。

  • 雑務を自動化して時間をつくり、担当業務を短期間で完遂
  • プロジェクト全体の無駄を効率化し、工数を削減

ちなみに自動化処理を作るときは『VBA』または『Google Apps Script』を学ぶことが効果的です。

「工数削減ができた実績」は交渉材料としておすすめなので、以下を参考に学んでみてはいかがでしょうか。

ポイント④ クライアント側の事情も考慮する

またクライアント側の事情を考慮することも重要です。稀に契約期間中にも関わらず単価交渉してしまう人がいますが、完全に悪手と言っていいでしょう。

すでにプロジェクト単位で予算が決まっている場合がほとんどですから、単価アップのためにはあらためて予算配分を考え直す必要があります。

クライアント側に余計な作業が発生してしまうため「自分の単価のことしか考えていないな……」と思われてしまうのです。

新しいプロジェクトであれば「この人は能力も高く信頼ができるから、単価を上げてでもお願いしたい」と思うかもしれません。しかし、その融通が利きづらいタイミングであれば避けたほうがよいでしょう。

反対にクライアントの決算期など、予算の見直しをするタイミングに合わせて単価交渉すれば、スムーズに希望がとおる可能性もあります。

クライアントが単価を上げられる状態にあるか、事情を考慮することが重要です。

単価を月10万円上げる具体的な方法

「相場よりも月収を上げるにはどうすればいいんだろう?」と思った人もいるのではないでしょうか。

そこで次に、いまより単価を月10万円上げる方法を以下2つのポイントに沿って解説します。

  1. 現在の案件で単価交渉をする
  2. 案件を切り替えるタイミングで、より高単価な案件に切り替える

具体的な流れもまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

方法1. 現在の案件で単価交渉をする

現在の案件で単価交渉する方法は、大きく分けて以下の2つです。

  • 自力で交渉
  • エージェント経由で交渉

長い期間(最低半年以上)同じ案件で仕事をしている場合は、クライアントからの信頼も得ているはず。自分のスキルや普段の仕事ぶりを深く理解してくれているため、単価交渉しやすいケースもあるでしょう。

自力で交渉する場合は、案件に携わってからちょうど1年など区切りのよいタイミングや、上流工程を任されたタイミングなどで切り出すとスムーズに運びます。

少しずつ小さな案件からステップアップして大きな案件を任せられるようになれば、たとえ単価交渉が上手くいかなかったとしても次回への布石を作れるはず。並行してスキルを高める勉強も怠らないようにしましょう。

交渉を上手く進められるか不安なら、フリーランスエージェントに相談するのもひとつの手です。客観的に見て自分に足りないスキルを教えてもらえる可能性もあります。

また複数のフリーランスエージェントを利用することで、以下のような単価アップも見込めるでしょう。

単価は55万でした。なのでレバテックの担当者から「商談が成立した場合は参画しますか」の問いには、他社の選考を待ち、仕事内容及び単価がよいところにしますと回答しました(月単価55万では低いので)。私は55万ということはMAX55万でそれ以上に上がることはないと思っていましたが、面談の評価が良かったのと、レバテックさんの交渉(65万程度の案件を中心に応募している方なので、55万では無理ですよと言ってくれたのではと思ってます)により、63万に跳ね上がりました!

(▲引用:レバテックで月単価63万のフリーランスになりました!! メリデメも記載!)

不安な人は、一度フリーランスエージェントに相談してみるとよいかもしれません。

方法2. 案件を切り替えるタイミングで、より高単価な案件に切り替える

自然な流れで単価アップを狙うなら、単価交渉の方向性を決めたうえで実績をつむのがもっとも確実です。コツコツと手を動かすタイプなのか、上流工程に関わりたいのか、自分の希望によって方向性も変わります。

希望をはっきりさせ、実績を積むべく取り組んでいると、いずれ案件が切り替わるタイミングが訪れるでしょう。そのタイミングでより高単価な案件を探すのもおすすめです。

フリーランスエンジニアと契約する金額の上限は、クライアントごとに決まっています。そのため「他の案件で高単価となるスキルを持っていても、単価が上がらないケース」はままあるのです。

また、より高単価の案件を受注するにはスキルアップも必要。案件を切り替えるタイミングで、よりスキルアップできる案件を探してみるとよいでしょう。

ちなみに「エージェントを使うことで高単価案件を獲得するテクニック」については、以下で詳しく解説しています。単価を上げたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

単価交渉を最速で終わらせる方法

フリーランスエンジニアの賢い単価交渉術|実情と単価UPを狙うコツ
(画像=『Workship MAGAZINE』より 引用)

ここまでで簡単に単価交渉のやり方をご紹介しましたが、単価交渉は何度も提案できるものではありません。とくにプロジェクトの参画歴が長い案件ほど、お客さんは商品レベルを見慣れてしまっており、クオリティに変化を感じづらいため、必要以上に高い金額を支払う理由が見い出せないのです。

したがって、単価交渉は最速で終わらせる必要があります。

単価交渉を最速で終わらせる方法は、いたって単純。案件開始前にお客さんが支払える上限ギリギリの価格で提案・交渉を持ちかけることです。

納品量が多くなれば、次第にお客さんの中で「高い・安い」という価値基準の格付けがされてしまいますが、案件開始前ならば価値を正確に測れません。とくに、お客さんの要望に合わせたオーダーメイドの品を用意する案件では、商品を作り終えるまで実物を目にする機会がないため、お客さんが相場観を掴むまでに一定のタイムラグが発生します。

そこで高い価格で商品を買い取ってもらうために、お客さんが正確な相場観を掴むまでのタイムラグを利用して、案件開始前に単価交渉を仕掛けます。これにより、何度も緊張感漂う交渉のテーブルに立つことなく、余裕を持って仕事だけに注力できるため、良質なパートナー関係を結び続けることにも繋がります。

したがって単価交渉に尻込みせず、早いうちから納得のいく相場観で仕事を取れるよう努めましょう。

単価交渉の前に確認すべきポイント

「単価を交渉する方法は分かったし、さっそく単価交渉してみよう!」と思った人もいるかもしれません。

ただ単価交渉をする前にいくつか確認しておかなければならないポイントがあります。これを疎かにしてしまうと、クライアントから信頼を失ってしまう可能性があるので気をつけましょう。

確認すべきポイントは以下の2つです。

  • 自身のスキルを高める
  • クライアントとの信頼関係を築く

ポイント1. 自身のスキルを高める

1つめは「自身のスキルを高める」です。

フリーランスエンジニアは、成果を上げることが何よりも重要となります。そのため、成果につながらないスキルをいくらアピールしたところで、単価が上がる決定打にはなりません。成果に直結するようなスキルを身につけ、エンジニアとしての質を上げることが大切です。

ただ「単価を上げるためのスキルを独学するのは難しい……」「時間を短縮してスキルを学ぶ方法はないかな?」と思っている人もいるのではないでしょうか。

そんなときはプログラミングスクールを活用しましょう。以下でおすすめのプログラミングスクールをまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ポイント2. クライアントとの信頼関係を築く

2つめは「クライアントとの信頼関係を築く」です。

極端な話ですが、案件初日に「単価を上げたいです」と言っても印象は悪くなるばかり。「お金に目が眩んでいて、大事なことに目を向けられない人なんだな……」とバッサリ切り捨てられてしまうのは、容易に想像がつきます。

また「クライアントと仲がよくなったら信頼関係が構築された」という話ではありません。しっかりと信頼関係が築けている人のイメージは以下のとおりです。

工数の見積もり精度が高く、仕事の完遂力が高い

依頼された業務以上に、プロジェクトに貢献している

最新技術を貪欲に学び、プロジェクトメンバーによい刺激を与えている

あくまでも上記は一例ですが、仕事に全力でコミットする人は信頼されます。そして、その期間が長ければ長いほど、より信頼は厚くなっていくのです。

まずは、信頼関係構築のために全力で仕事に取り組みましょう。

ポイント3. 案件単価は市場相場を基準に調整

案件単価は市場相場を基準に調整するのがおすすめです。

「月収〇〇万円を目指したい」という願望もあるかもしれません。しかしスキルと単価の感覚がズレていると、そもそも案件獲得すらできないケースもあります。

せっかく営業に時間をかけても、案件獲得に結び付かなければ意味がないですよね。

単価を上げるためにスキルを磨くことはもちろん大事です。それと合わせて市場相場に沿った仕事を選ぶこともまた、重要だと言えます。