スズキ ジムニーをベースに排気量の大きなエンジンを積み、オーバーフェンダーを装着して車幅、トレッドともに拡大したスズキの本格SUV、ジムニーシエラ。ボディや駆動系には大きな違いはありませんが、それでもジムニーより圧倒的に勝る部分があるから存在価値があるのです。
ジムニーシエラと真っ向から比較できるのはジムニーだけ
ジムニー8やジムニー1000と呼ばれていた時代は、同クラスのライバルとしてダイハツ タフトやトヨタ ブリザードが存在していました。しかし、現在では、1.3リッターエンジンを搭載したコンパクトな本格オフロードSUVであるジムニーシエラには、直接のライバルがほとんど存在しません。
ジムニーシエラと改名してからは同クラスで三菱 パジェロジュニアやダイハツ テリオスが優れたオフロード性能を持っていたとはいえ、キャラクターの違いから直接のライバルにならなかったのです。
結果、ジムニーシエラとしてのライバルは常に、ベースモデルのジムニーだけだったと言って良いでしょう。
名車ジムニーの海外版がジムニーシエラ
軽オフローダーの初代ジムニーに、輸出用の800ccエンジンを搭載したジムニー8の国内販売が始まったのは1977年の事です。この時はエンジン以外軽自動車のジムニーと全く同じだったためメリットが少なく、販売台数もごく少数に留まりました。
しかし、1981年にデビューした2代目ジムニーの輸出版が1,000ccエンジンを搭載してオーバーフェンダーを装着、より太く大きなタイヤが履けて軽自動車枠を超えた改造が可能とわかると国内販売を希望する声が高まります。
その声に応えて翌年にジムニー1000が発売。1984年には1,300ccエンジンを搭載したジムニー1300に発展しました。その後、スズキの新型コンパクトSUV、エスクードの登場で廃止されていた時期もあったものの、1993年にジムニーシエラとして復活を果たしたのです。
基本的にはスズキ サムライとして販売されていた輸出モデルの国内仕様ですが、現在でもモデルチェンジや改良を重ねて販売を続けています。