私たちヒトは約600万年前にチンパンジーから分かれ、約20万年前にホモ・サピエンスとして今の姿になりました。

しかし、それは大きな進化の木の中の枝葉の先っぽの話でしかありません。

元をたどれば、一本の幹に、つまり「陸に上った最初の生物」にたどり着くはずです。

それは一体、どんな生き物だったのでしょう?

そして、どうして陸に上がる選択をしたのでしょうか?

目次
魚の「エリート集団」と「落ちこぼれ集団」の誕生

魚の「エリート集団」と「落ちこぼれ集団」の誕生

生命は約38億年前に海の中で誕生しました。

それからゆっくりと地道に進化を重ね、「脊索(せきさく)」と「神経管」を持った生物(現生種ではナメクジウオやホヤなど)が生まれます。

この2つの器官がのちに「脊椎」と「脳」に進化して、魚が誕生したのです。

移動力に長けた魚たちは、地球上の海や川へ拡散し、いっきに活動領域を広げていきました。

魚はどうやって陸に上がったの?「海の落ちこぼれ」が「陸のヒーロー」になるまで
(画像=ナメクジウオ / Credit: ja.wikipedia,『ナゾロジー』より 引用)

ここで魚を大きく2つに分類すると、骨格が軟骨でできた「軟骨魚類(サメ、エイなど)」と、骨格が硬い骨でできた「硬骨魚類」に分けられます。

さらに、この硬骨魚類のうち、イワシやサケ、マグロといった大多数の魚を「条鰭(じょうき)類」といいます。

鰭(き)とはヒレのことです。

条鰭類は速く泳ぐことに特化するため、エラ呼吸のみを進化させ、肺は退化させました。その際に、エラ周辺の余分な肉もなくして軽量化しています。

それにより、今日まで続く魚類の一大メインストリームを築き上げたのです。

魚はどうやって陸に上がったの?「海の落ちこぼれ」が「陸のヒーロー」になるまで
(画像=最初期の条鰭類「ケイロレピス」 / Credit: ja.wikipedia,『ナゾロジー』より 引用)

しかし、その影で落ちこぼれ集団も誕生しました。

「肉鰭(にくき)類」です。

その名の通り、肉鰭類は、肉厚なヒレを持ち、からだもボテッとしたノロマな魚たちでした。

代表格は「生きた化石」と称されるシーラカンスです。

約4億年前のデボン紀に出現し、約6500万年前の恐竜絶滅と同時に大半が姿を消しましたが、1938年にアフリカ沖で生きた個体が発見されています。

魚はどうやって陸に上がったの?「海の落ちこぼれ」が「陸のヒーロー」になるまで
(画像=最初期の肉鰭類「Guiyu oneiros」 / Credit: en.wikipedia,『ナゾロジー』より 引用)

彼らは、条鰭類とは正反対で、エラを進化させず、肺もそのまま残し、スピードにも機動力にも欠けていました。

ところが、この鈍臭い肉鰭類から、「陸に上がる」という大偉業がなしとげられるのです。

一体、どうしてでしょうか?