オフもご飯を毎日9合くらい食べていました
― 一時的にでも93㎏まで増量したことは結果的に良かったのですか?
鈴木 当時の私には良かったと思います。2006年のオフもご飯を毎日9合くらい食べていました。その年の日本選手権の仕上がり体重は81㎏でした。多少甘かったのですが、筋量はついたかなと思いました。当時はとにかく自分の身体をつくるのに必死でしたね。ほぼ初心者同然なので、ポージングも覚えなければいけないし、手探りの状態でやることが多すぎました。その中で唯一明確だったのが身体を大きくすること。つまりトレーニングして食べることでした。
― 体重を増やす上での注意点はありますか?
鈴木 やはり筋力が伸びていなければ体重を増やす意味がありません。体重を増やすにしても一気に食べて増やすのではなく、コンスタントに食べていった方がいいですね。きちんと記録を付けて、体重がどれだけ増えて記録がどれだけ上がったかを見極めながら食事をしていくべきだと思います。体重が増えることは、筋肉を守るという意味もあります。
― 筋肉を守るというのはどういうことなのでしょうか?
鈴木 筋肉が落ちるのを防ぐということです。タンパク質もエネルギー源になるので、身体にカロリーが多ければタンパク質を守ることができます。また炭水化物を多く取ることで血糖値が上がり、インスリンの作用が働くのでタンパク質を吸収しやすくなります。つまり筋肉の分解を防ぐことと、栄養素の吸収ですね。減量中はエネルギー不足になりがちで、そうなると人間の体は筋肉を分解してエネルギーに変える働きがあるんです。そうならないように適度に余分なカロリーをとっておく必要があるということです。
― 炭水化物を多めに取るやり方は、誰でも当てはまるトレーニング方法なのでしょうか。
鈴木 キャリア2~3年の20代の若い選手のほうが良いですね。40代以上のベテラン選手はやはり心臓や内臓に負担がかかって身体が疲れやすくなりますから。
― 20代前半のころの鈴木選手のバルクアップには、その方法が適していたのですね。
鈴木 当時は知識も経験もなく、やみくもにやっていましたが、結果的にそれが自分には良かったのかもしれないですね。体質的に減量期でもコンスタントに食べ続けないとすぐに筋肉が落ちてしまいますから、他の選手の方より食べている量は多いと思います。
― 今現在の一日の摂取カロリーと食事内容を教えてください。
鈴木 オフは5000㎉以上取ります。タンパク質は朝昼晩それぞれ50g以上は取るようにしています。魚か鶏肉か牛肉かというジャンルは問いません。プロテインは仕事の合間に間食として飲んでいます。炭水化物関しては、オフは朝と昼は多目に食べて、夜は食べたい分量だけ食べています。ただ夜に食べ過ぎると朝のトレーニングで身体が重く感じるので、その点は注意しています。
鈴木 雅
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。
提供元・FITNESS LOVE
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