「デカくなりたい!」ボディビルダーはもちろん、ウエイトトレーニング愛好家なら一度はそう思ったことがあるに違いない。体重が競技のパフォーマンスに直結するコンタクトスポーツのアスリートも同様ではないだろうか。そこで日本ボディビル選手権トップ12人に、過去最も体重が増えたときの食事法、そして大会シーズンが終わった“オフ”である現在の食事についても聞いてみた。体重が増えにくいトレーニーや、これから身体を大きくしたいアスリートはぜひ参考にしていただきたい。

取材・文:アイアンマン編集部

【増量筋肉飯】身体を大きくするなら肉よりご飯!ポテチはふりかけ!昔は白米を1日9合食べていた=鈴木雅
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

身体を大きくするなら肉よりご飯!昔は白米を1日9合食べていた 鈴木雅

―  過去に最も体重が増えたときの食事内容を教えていただけますか。

鈴木 学生時代になりますが、油物や肉を食べるというよりも、“お米”をたくさん食べました。タンパク質は三食とって、プロテインも飲んでいましたが、お米は一日で9合くらい。6合炊きと3合炊きの炊飯器で毎日炊いていました。間食にもコンビニで買ったおにぎりや菓子パンを食べていて、当時マクドナルドのハンバーガーが100円か50円で売っていたので、あの時はよく間食で食べていましたね。

―  一日で一升を超えているかもしれませんね…。

鈴木 そうですね。実家(福島県)でお米を作っているのでたくさん送ってもらって、足りない分は自分で買ったり、パンやパスタを買って食べていました。甘い物はほとんど食べていなかったですね。

―  お肉よりお米ですか?

鈴木 身体を大きくするにはやっぱりお米だろうと(笑)。肉類を食べるとしたら、一人暮らしだったので、安い鶏の胸肉やサバやツナの缶詰。普通にスーパーで買えるものをよく食べていました。学生時代はアルバイトはしていましたが、お金がなかったので基本的には安い物しか買えなかったですね。

―  とにかく白米を食べて身体を大きくしたのですね。

鈴木 そうです(笑)。「なめたけ」をかけて食べるのも好きで、一日一瓶使いきることもありました。その味に飽きて最終的にはポテトチップを砕いてふりかけにしてご飯を食べていました。

―  ポテトチップですか!

鈴木 全然イケますよ(笑)。ポテトチップは味の種類が豊富ですから(笑)。なるべく辛い味のほうがご飯に合いますね。

―  何歳くらいのことですか?

鈴木 21~22歳のころで、まだボディビル競技を始める前のトレーニングを開始したばかりのころです。当時は若かったし、とにかく身体を大きくしたくて、脂肪も何も関係なかったですね。

―  何㎏くらい増えましたか。

鈴木 大学3年でトレーニングを始めてゴールドジムに入社するまでの1年半ですが、51~ 52㎏から75~76㎏まで増えました。

―  24㎏!それはすごい!

鈴木 高校では野球をやっていて60㎏くらいあったんですが、大学に入って何も運動をやらなかったら51~ 52㎏に減ってしまったんです。それで3年生の後半にこれじゃいかん!とトレーニングを始めたんです。そのリバウンドだと思うのですが、60㎏くらいまでは一気に戻りました。その後、入社して半年くらいで80㎏を超えました。

― ということは、2年で体重が30㎏近く増えたということになりますね。

鈴木 そうなりますね。入社翌年の2月には84㎏になりました。6月の東京オープンには77㎏か78㎏で出場したのですが、やはり(仕上がりが)甘かったですね。

―  無理な増量は身体に良くないといいますが?

鈴木 体重が増えていく段階で体脂肪量はそれほど増えていかなかったですね。体重が増えてしばらくすると力がグンと伸びる。その繰り返しでした。2005年の春には93㎏まで増えましたが、その年の東京選手権では17㎏減量して75㎏で出ました。

―  東京選手権初出場で初優勝したときですね。バリバリに絞れていたのを覚えています。

鈴木 その前年までは炭水化物を取らずに絞ったんです。当時はやっていた方法だったのですが、私には全然合わなかったですね。そこで炭水化物を取りながら絞ろうと思い、有酸素運動を朝、夜、休憩中に行っていました。感覚的には、絞れれば絞れるほど仕上がってきた感覚が分からなくなってくるんです。他の選手で「自分は仕上がった」という人がいるんですが、何を基準にして仕上がったのかが私にはいまだに理解できません。