「ダイビング器材をほしいけど、種類と機能がありすぎてよくわからない…」。そんなダイバーに向けて、いまさら聞けないダイビング器材6種(ダイビングコンピュータ、マスク、シュノーケル、フィン、BC、レギュレーター)の基礎と失敗しない選び方を6回にわたりご紹介!
お話を伺ったのは、多種多様なメーカーの器材を扱い、日々たくさんのダイバーと接している、ダイビング器材販売店「AQROS渋谷」マネージャーの向山涼子氏。第1回目となる今回は、自分の安全管理のためにも重要な「ダイブコンピュータ(通称:ダイコン)」について。早速、ご紹介していく。
目次
1、安全管理には必須!ダイブコンピュータとは?
・▶︎ダイブコンピュータの基本的な機能と名称
・▶︎なぜダイブコンピュータが必要なの?
2、ダイブコンピュータってどんな種類がある?
・▶︎腕に取り付ける「腕時計タイプ」
・▶︎レギュレーターに取り付ける「コンソールタイプ」
・▶︎視認性に優れた「大画面タイプ」
1、安全管理には必須!ダイブコンピュータとは?
▶︎ダイブコンピュータの基本的な機能と名称
ダイブコンピュータの主な役割は、現在水深や潜水時間、減圧停止の必要がない無限圧潜水時間(NDL、または減圧不要限界やノンストップ時間)、水温、最大水深、安全停止のカウント、水面休息時間のカウントなどリアルタイムでダイビング中に重要なデータを知らせてくれることだ。各部位の名称は下図の通りだが、見た目は普段私たちが身につける腕時計とさほど変わらない。
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▶︎なぜダイブコンピュータが必要なの?
ダイビングで減圧症にならないように、ダイビング前には安全な水深、潜水時間をダイブテーブルなどで計算し、ダイブプランを立てる。この一連の作業が少しややこしくて、面倒だなと思っている人も少なからずいるはず…。この計算を瞬時にしてくれるのが、ダイブコンピュータである。
ダイブコンピュータを身につけてダイビングをすれば、逐一変化する潜水時間や深度を計測し、体内に過剰な窒素を溜め込まないように無減圧潜水時間をリアルタイムで表示してくれる。この無減圧潜水時間を超えなければ、減圧症にかかるリスクを減らせるというわけだ。「バディ1組で1つあればいいの?」「ガイドが1つ持っていればいいの?」と思うかもしれないが、いくら一緒にダイビングをしていても、まったく同じ水深、潜水時間でいることはまずないだろう。最近では、ダイビングショップでレンタルしているところもあるが、自分の安全管理をする上で超重要なアイテムなので、自分専用のダイブコンピュータを持っていてもいいかもしれない。
※ただしダイブコンピュータの計算はあくまで理論上の話。窒素が溶け込む量には個人差があるほか、個人でもその時の体調によって異なる。完全に頼るのは避け、計算よりも余裕を持ったダイビングをしよう。
2、ダイブコンピュータってどんな種類がある?
▶︎腕に取り付ける「腕時計タイプ」
最近の主流は、腕時計タイプ。軽量かつコンパクトで、デザイン性が高くオシャレなものも多い。いい意味でギア感が薄めでタウンユースにも馴染むものが日本では人気のようだ。ディスプレイは若干小さめだが、文字の大きさや配置などが工夫されていたり、カラーディスプレイタイプのものが登場したりと、見やすくなるように設計されている。
▶︎レギュレーターに取り付ける「コンソールタイプ」
あまり見かけることはないが、残圧計などと一体型のコンソールタイプのものもある。腕時計タイプのものだと、つけ忘れた!なんてことがあるかもしれないが、コンソールタイプならそんな心配もなし。
▶︎視認性に優れた「大画面タイプ」
大画面の最大の特長はやはり、視認性が抜群にいいこと。必要な情報を1画面で確認できるだけでなく、画面にゆとりがあるのでそれらの情報を詰め込まずに表示してくれる。
ダイブコンピュータの価格は5万円以下から15万円以上するものまで。レクリエーショナルダイビングで使用するための必要最低限の機能はほとんどのダイブコンピュータに備わっているので、どれを選んでも問題はないだろう。