Q5. 岸田さんは「最悪の場合を想定して入国禁止した」といってます。

最悪の場合を想定するのはいいのですが、最悪の場合だけを想定してはいけません。オミクロン株の死者は、今のところ全世界で1人しか確認されていません。その被害をふせぐために全世界からの入国を禁止するのは、コストが大きすぎます。

こういう場合は、最悪以外の場合も含むシナリオを考えるのです。たとえばオミクロン株の感染で100人死ぬ確率が1%で、10人死ぬ確率が10%だとすると、その2つのシナリオの期待値は

100×0.01+10×0.1=2

ですから、普通の病気で2人が確実に死ぬ場合と同じで、社会全体を巻き込むようなリスクではありません。

Q6. でも命はお金で買えませんね?

それはゼロリスク派の人がよくいうことですが、実際には人の命には値段がついています。たとえば自動車損害賠償責任保険では、死亡した場合の賠償額は遺族ひとり950万円です。命の値段を無限大と考えると、自動車も飛行機も使えなくなります。