逆に距離感をわきまえたおじさんは慕われる
一方で距離感をわきまえたおじさんは慕われ、紳士的に感じられると思っている。
筆者は会社員時代、役員を務める男性上司にかわいがってもらった。この人物はビジネス能力が高く、インテリだったという部分も尊敬していたが、それ以上に彼の振る舞いが素晴らしいと感じた。自分のビジネスのキャリアや悩み相談をじっと黙って聞いてくれ、アドバイスも長すぎず、時には愛も感じられる厳しい話もしてくれた。それでいてプライベートに土足で踏み込む無粋なことは一切せず、徹頭徹尾、冷静に、ビジネスライクにアドバイスをしてくれたのだ。
紳士的で尊敬を集めるおじさんは、必ずしも社会的な大成功者である必要はないと思っている。相手との適切な距離感を保ち、一緒にいて不快感を与えないだけでも紳士感は出ると思うのだ。
距離感は相手へのリスペクトがあれば間違えない
筆者がいつも感じていることの一つに、距離感というのは相手へのリスペクトがある限りは間違えないものだということだ。
たとえば、飲食店に入って女性店員に馴れ馴れしかったり、横柄な態度を取るおじさんがいる。彼は同じことを普段リスペクトをする会社の上司にできるだろうか?
相手が自分より年下と分かった途端、いきなり説教臭くおじさん。彼は重要度の高い取引先の経営者にも同じことをできるだろうか?
おそらく、これらの答えはNOであろう。思うに、距離感がおかしな人の共通点として相手へのリスペクトが欠如しているのである。相手が自分より格下だと判断して態度を変えてしまう。そのような稚拙なメンタリティこそが、嫌われるおじさんを作り出している元凶ではないだろうか。
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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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