ニートの中には、次第に生活が困窮していくのを感じ、「働かずに手早くお金を生み出す方法はないものか」と考え始める人も少なくありません。
そこで目をつけるもののひとつに「投資」があります。
株に投資することで莫大な利益を出している人は実際に存在しますが、株で儲けることはニートにも可能なのでしょうか。
結論から言うと、ニートが株で稼ぐ選択肢はおすすめできません。
なぜなら、あまりにも現実離れしているからです。
この記事では、ニートが株で稼ぐことについて、
- ニートが株で生活費を稼ぐことは可能か
- なぜ株で稼ぐ方法はおすすめできないのか
- ニートが投資するべき3つのこと
について解説します!
「もしかして株で稼げばニートでも生きていけるのでは?」とぼんやりと考えているニートの方にぜひ読んでいただきたい内容です。
目次
ニートが株で生活費を稼ぐのは現実的に可能なのか
ニートが株で生活費を稼ぐべきではない5つの理由
ニートが株で生活費を稼ぐのは現実的に可能なのか

実際のところ、株で稼いで生活していくという方法については、「不可能ではないけれどかなり難しい」というのが結論です。
ニートにとってみれば、働かずして家で株の動きを追うだけで収入が得られるなんて夢のような話ですから、当然魅力も感じるでしょう。
しかし、実際株で儲けている人たちを見ていると、
- 半数以上が1000万円以上の資産を持っている
- 半数以上が1年以上の長期投資をしている
参考:日経新聞「勝ち続ける投資家の秘密 負け組とここが違った」
上記の事実が分かってきます。
ダルマちゃん 少ない資産でも株投資はできるんだ。でもそこから生まれる収入も当然少なくなる。やっぱり大きく投資できるだけの資産が必要なんだよ。
つまり、少ない資産ではまとまった利益を生み出しづらく、さらには長期戦でじっくり投資していく必要があるのです。
ニートで生活に困るからといって、ササッと投資して生活費を捻出する、などの簡単な話でないことが分かります。
よって、ニートが株で生計を立てるというアイデアは現実的ではないと言えます。
ニートが株で生活費を稼ぐべきではない5つの理由

ニートが株投資で生活費を稼ぐことがどうしてもおすすめできない理由は明確に5つあります。
この章では、より詳しく「ニートに株投資をおすすめしない理由」について解説してきます。
1.コロナ等の外部要因に弱いから
株の値動きはその時々の情勢に大きく左右されます。
値動きをなるべく正確に予測し、然るべきタイミングで売買をすることができなければ株で儲けることはまずできません。
コロナの影響で相場が急落した2020年は、多くの投資家が苦戦したことが分かっています。
▼2019年と2020年の運用成績比較
▲10%以上 | ▲10〜▲1% | ▲1%〜+1% | +1%〜+10% | +10%以上 | |
2019年 | 10.7% | 7.9% | 8.4% | 30.0% | 25.2% |
2020年 | 38.5% | 13.5% | 7.7% | 15.3% | 9% |
参考:日経新聞「ベテラン苦戦、初心者増加コロナ下の個人投資家」
ユーくん 半数以上の投資家が2020年においてはマイナスの結果となってるんだね。こりゃ厳しいわ‥。
ダルマちゃん 2019年の時点でも2割近くの人たちがマイナスで終わっているからね。そもそも株で稼ぐこと自体簡単ではないんだよ。
株で簡単に稼げると思っているニートの人たちには、まずこの厳しい現実を理解する必要があります。
そもそも株投資自体が非常に不確かなものであり、利益を生み出すには知識や経験、そして何よりも十分な資産が必要なのです。
2.自己資金が少ないとリターンも少ないから
2017~19年の3年間と20年1~3月の運用成績を元に、全てプラスの成績をあげた「4連勝」の人たちについては以下の通り。
- 全体の15%のみが4連勝
- 自己資金300万以下の投資家が20%
- 自己資金1000万以上の投資家が51.3%
参考:日経新聞「勝ち続ける投資家の秘密 負け組とここが違った」
ここで考えるべきは、仮に4連勝して投資に成功している人でも、自己資金300万であれば、10%の利益が出たとしてもたったの30万円(年間)だということです。
株で4連勝している人の2割は300万以下の投資家であることを考えれば、「勝ってはいるけれど、生活できるほどの収入にはつながっていない」人が2割はいることになります。
ダルマちゃん 30万の利益があってもそこから税金が引かれれば結局は24万円くらいしか手元には残らないんだ。
ユーくん 結局株で生活費を稼ぐにはよっぽどの資産を投資にあてて、かつ勝ち続けられなければ無理だってことだね。
ニートが株で生活費を稼ぐなんてことが、ほぼ確実に不可能であることはもうお分かりいただけたのではないでしょうか。
3.基本的に長期投資が基本になるから
株の投資は基本的に長期戦です。
株は「すぐに大きく稼いで勝ち逃げする」ようなものではありません。
なけなしの貯金を一気に投資して、大きく値が高騰したときにすぐに売ることでハイリターンを得る戦法を思いつく人もいるかもしれませんが、これはあまりにもハイリスクです。
短期間で大きな利益を期待すれば、その分リスクが大きくなり、最終的には自己破産する他なくなってしまうケースも少なくありません。
生活費を稼ぐことを目的に株を始めるのは全く理にかなっていないということ。
むしろ、長期的に投資しゆるやかに利益を積み上げていくのが、一般的な勝ち組の投資家のスタイルです。
4.銘柄や市場の調査等は激務だから
ニートの考え方の根底には、
- 仕事をしたくない
- 楽に稼ぎたい
- 努力はしたくない
などがありますが、株の投資においては「努力」や「地道な作業」が必須となります。
株の値動きや、市場の変化に目を光らせ、毎日調査や勉強を続けていかなければ、株で安定して稼ぐことは到底無理なのです。
- 株式トレーダーの1日
- ・朝〜正午
・前日の欧米の株価動向、経済ニュースのチェック
・日本株の開示情報や経済動向をチェック
・前日に目をつけた銘柄の動向チェック
・株の値上がり率、値下がり率、高騰銘柄のチェック
・午前の取引を行う
・昼
・午後の取引を行う
・午前の動向とアジア株の動向をチェック
・夜
・開示情報から翌日のトレード銘柄を物色
夜型ニートが多いことを考えると、株式トレーダーが朝やるべきことがあまりにも多いため、この時点でかなり厳しいと言えます。
おまけに、これらの「やるべきこと」は、全て基本的な株の知識が備わっていることが前提となるため、まずはみっちり勉強する必要があります。
結論、株式トレーダーは「激務」なのです。
楽して生活費を稼げると思っていたら大間違いですよ!
5.安定的に生活費を稼げるのは億越えトレーダーのみ
自己資産が1億円を超える「億越えトレーダー」なら、株だけで生活していくことは可能です。
ここであなたはきっと、「いやいやそんなに規模の大きな話をしてるんじゃないんだよ」と思ったかもしれません。
しかし、億越えトレーダーくらいのレベルでなければ「株で生計を立てる」ことは不可能です。
なぜなら、年利10%で考えると、年収1000万円を出すためには1億円の投資が必要となるからです。
ダルマちゃん 年収1000万円あれば生活に困らないよね。生活に困らないだけの収入を株で得ようとしたら元手となるお金が1億は必要だってことだよ。
実際に1億を超える資産を投資している人の年齢別割合を見てみると以下のようになります。
▼億越え投資家の年齢別割合
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代以上 |
1% | 4.8% | 19.5% | 34.2% | 30.2% | 10.4% |
参考:日経新聞「ベテラン苦戦、初心者増加コロナ下の個人投資家」
ユーくん 20代が1%って!!!30代も4.8%だし。やっぱり株の億越え投資家は年齢層高めの人が多いね。
このデータから分かる通り、億越えトレーダーの65%が50代から60代。
若い世代においては20代と30代を合計しても6%にもなりません。
株で億越えの投資をしている人の年齢層がかなり高いと言えますね。
ダルマちゃん 若いニートがこの人たちと同じレベルのトレーダーになろうとしても現実的に考えて無理なんだ。厳しい世界だよ。