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知って面白い!オジロワシとオオワシの見分け方
オジロワシも絶滅危惧種? ハードストライクでオジロワシが激減

知って面白い!オジロワシとオオワシの見分け方

「オジロワシ」と「オオワシ」の見分け方についてです。なんだか双方カタカナ表記だと名前まで似ていますね。しかもオジロワシとオオワシは1970年1月23日に、同時に国の天然記念物として指定されているのです。そんなオジロワシとオオワシですが、見分け方は難しくありません。

北海道の天然記念物オジロワシを知る オジロワシの観察は北海道で決まり!
(画像=『北海道そらマガジン』より引用)

上の写真で左が「オジロワシ(尾白鷲)」、右が「オオワシ(大鷲)」です。

「オジロワシ」は全体的に黒みがかった茶色(褐色)をしています。クチバシは黄色ですが、オオワシと比べると薄い色合いに感じます。また「オジロワシ」よりもオオワシの方がクチバシのサイズが小さいことにも注目です。

また「オジロワシ」は尾の部分が白色であるのに対し、オオワシは翼の上部分、尾の広範囲と、オオワシの方が全体的に白色の範囲が広いです。
飛翔中のオジロワシ、オオワシを観察する際も上記の色合いの違いから判別することが可能です。

【こばなし】オジロワシだけがもらえなかった、神の称号

アイヌの間でオオワシは「カムイ」という神の称号を与えられています。しかしオジロワシには称号が与えられませんでした。確かにオオワシは世界でもトップクラスの体の大きさを持つ猛禽類です。しかしそれほどオジロワシと大差はありません。

一体なぜオジロワシは称号をもらえなかったのか?

それは戦国時代における貿易品の中でオオワシの純白の尾が高級品だったことと関係しています。織田信長などにより重宝されていたのがオオワシの尾羽でした。オオワシの白い尾羽は弓矢などに使用されていたのです。オジロワシの尾羽を数えてみると、その枚数は12枚です。それに比べてオオワシは14枚と2枚多いのです。

ちなみに今話題沸騰の人気マンガ『ゴールデンカムイ』ではオオワシを描くシーンがあります。また作中でオオワシは食べられてしまいますが、このマンガではオオワシの基本情報などが掲載されているため、ご興味のある方は是非読んでみてください。

オジロワシも絶滅危惧種? ハードストライクでオジロワシが激減

ここではオジロワシに与える人災や絶滅の危惧についてお話します。ハードストライクが増える中でオジロワシなど猛禽類は個体数を減少させています。
ハードストライクとは、人工物に鳥類が衝突することを意味します。例えば風力発電のプロペラなどに鳥類が衝突したり、航空機と鳥類における衝突事故などがあります。

ハードストライクによる被害の他にも、電線への激突による感電や、都市開発によるオジロワシ生息地の減少問題、地球温暖化による環境の変化などがオジロワシの絶滅の危機を高めています。またオジロワシは動物の死骸を食べることも少なくありません。ハンターにより仕留められたエゾシカの体からオジロワシが鉛を摂取してしまい、鉛中毒を起こしてしまうケースもみられます。