法人営業に求められるスキル

法人営業では、個人営業とは違う能力や経験を求められます。ここでは、特に必要とされることが多い三つのスキルを紹介します。以下の内容を参考にして勉強することで、転職活動中あるいは転職後に悩むことも少なくなるでしょう。
プレゼン能力
プレゼン能力は法人営業において非常に重要なスキルとされています。そのために必要なのは『商品の魅力をうまく伝える話術』だけではありません。
なぜなら、ここでいう『プレゼン能力』には、担当者から課題を聞き出して的確な提案を行ったり、その提案の根拠となるデータを扱ったりするなど、さまざまなスキルが含まれているからです。
法人営業ではコンペ形式でプレゼンを行う場合もあるため、自社製品・サービスの魅力をただ伝えるだけでなく、『なぜ、その会社にとって自社製品・サービスが役に立つのか』『どの程度、その会社の実績に貢献できるのか』をアピールしなくてはなりません。
営業としての実力を余すことなく発揮するために、プレゼン能力は養っておくべきなのです。
論理的に伝える能力
法人営業におけるプレゼンは、顧客の感情に訴えかけるだけでは効果がありません。
先述した『導入することでどのようなメリットをもたらすのか』を、『何を根拠に』『なぜそうなって』『どのようなメリットが発生するのか』といったように、順を追って説明する必要があります。
そのため、話術というよりは文章構成力や論理的思考能力などが問われるでしょう。
反対意見を持っている人を相手にする場合、どのようにすれば納得感をもって賛成してもらえるかを考え、根拠に基づいて論理的に伝えることが、法人営業に欠かせないスキルといえます。
コミュニケーション能力
法人営業では『効果的なプレゼン能力こそがすべてだ』と思う人もいるかもしれませんが、実はそうとも限りません。
そもそもプレゼンを効果的に行うには、相手の立場になって話す気遣いや事前調査が欠かせません。さらに取引先の担当者と信頼関係を築いたり、自社の技術者と良好な関係を築いたりすることで、双方に無理のない提案をしなければならないのです。
取引先とのやり取りだけではなく、営業活動を取り巻くさまざまな人と良好な人間関係を保つ必要があるため、高いコミュニケーション能力が要求されるでしょう。
知っておきたい知識

法人営業を始める際には、メリットやデメリットだけでなく、いくつか知っておきたいことがあります。ここからは、最低限押さえておくべきポイントを三つ紹介しますので、転職活動に生かしましょう。
法人営業のキャリアパスは?
法人営業のキャリアパスには、『中間管理職への昇進を狙う』『人事やマーケティング部門に異動する』『営業職としてのスキルを磨き、第一線で活躍し続ける』という3通りの選択肢があります。
営業職として第一線で活躍したい場合、同じ会社に留まるのではなく、会社・商材を変えたり個人営業に転向したりと、選択肢の幅は広がります。
同じ会社で働き続けるのであれば、人事やマーケティング部門に異動して他職種の業務経験を積んだり、中間管理職へ昇進して将来の営業職を育てたりするのも良いでしょう。
法人営業として働く前に、最終的に自分がどうなっていきたいかを考えておくことをおすすめします。
近年の法人営業
法人営業としての仕事を始める前に、近年の法人営業がどのような立ち位置にあり、どのように変化していく可能性があるのかを調べておきましょう。
例えば、現在は2020年に新型コロナウイルスがまん延した影響で、商談がオンライン化する傾向にあります。実際に、オンライン会議ツールを利用した商談・プレゼンをメインに行う企業も出てきています。
さらに、さまざまな業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、マーケティングオートメーション(MA)や営業管理・顧客管理ツール(SFA/CRM)など、ITツールを使用する企業も増えてきました。
これまで以上にPCスキルを求められる可能性もあるため、求人内容はしっかりと確認しておく必要があるのです。
法人営業を目指すポイント
法人営業は未経験からでも目指すことができる職種ではありますが、転職を考える際には以下のポイントを整理し、面接で説明できるようにしておきましょう。
- 新規開拓かルート営業のどちらを目指したいか
- 有形商材・無形商材のどちらを扱いたいか
- 前職ではどのような企業をターゲットとしていたのか
さらに、法人営業は第一印象が大切な職種であることは言うまでもありません。そのため『法人営業に求められるスキル』以外にも、以下の点は押さえておいたほうが良いでしょう。
- 服装や身だしなみに気を使う(清潔感のある見た目を意識する)
- 話し口調や態度に注意する(挨拶や敬語などのマナーを覚える)
- 話しすぎず、聞きすぎない、バランスの取れた会話を意識する