目次
老後資金を貯めるための方法は?
・公的年金
・私的年金
年金以外の老後資金を貯める方法
老後資金を貯めるための方法は?
では改めて、私たちは老後どのような収入が見込めるでしょうか。まず収入のうち大きな割合を占めるのが、ある年齢に達したら受け取れる保険である年金です(老齢年金)。国が定めた制度で、国民年金など公的に用意されたものと、iDeCOなど私的な年金の2つに分けられます。
公的年金
公的年金は、次の2つに分類されます。
国民年金
20歳以上の方が加入が義務付けられている年金制度です。学生か無職かを問わず20歳以上であれば必ず加入しなければならず、保険料は定額制となっています。
ただし、学生の場合は学生納付特例、若年層には納付猶予制度という納付期限を延ばせる制度、所得の低い方には保険料免除制度という制度があり、手続きを行うことでそれぞれ利用できます。
厚生年金
厚生年金は企業に勤めている人が対象となる年金制度です。こちらも、法人事業所や一部の業態を除いた常時5人以上の従業員を抱える個人事業所であれば、加入が義務付けられています。
平成27年10月1日に施行された「被用者年金一元化法」によって、公務員や私学教職員が加入していた共済年金は厚生年金に統一されています。
私的年金
加入は義務付けられておらず、個人が任意で加入できる年金です。確定給付型と確定拠出型の2種類に大きく分けられます。あらかじめ給付額が定められている確定給付型と、拠出した掛金とその運用収益との合計額をもとに給付額が決まる確定拠出型があります。
確定給付型
・確定給付企業年金
加入した期間などに基づいて、将来の給付額があらかじめ決まっている年金制度です。DB(Defined Benefit Plan)ともよばれます。次の2種類があります。
規約型確定給付企業年金 | 企業が選定した保険会社や信託銀行に運用を一任し、企業が運用リスクを負い、万が一給付額に満たなかった場合は補填します。 |
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基金型確定給付企業年金 | 企業が実施主体となります。企業の母体とは別の法人格を持った企業年金基金を設立して、資金の管理および運用をし、年金給付を行います。 |
・国民年金基金
自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者が加入できます。掛金の全額が社会保険料控除の対象となったり、将来受け取る年金が公的年金等控除の対象となるなど、税制上優遇されています。
確定拠出型
毎月決まった掛金を設定して、自ら運用をする年金です。DC(Defined Contribution Plan)ともよばれます。将来受け取る年金額は、運用結果次第のため定まっていません。個人で加入するものと企業が福利厚生の一環で用意するものがあります。
・iDeCo(イデコ)
個人型確定拠出年金、個人型DCともよばれます。国民年金基金連合会に申請することで、20歳〜60歳未満の国民の多くが加入できます。掛金は毎月5,000円から1,000円単位で設定可能で、投資信託や定期預金などから商品を選んで運用します。受け取り(受給)は、加入期間10年以上で60歳から受け取れます。
・企業型確定拠出年金(企業型DC)
掛金を企業が拠出し、従業員が運用を行う年金です。拠出限度額の枠内かつ事業主の掛金を超えない範囲で、加入者自らも拠出することもできます(マッチング拠出を採用している企業の場合)。
年金以外の老後資金を貯める方法
老後の収入の大きな部分を占める年金のほかには、どのような選択肢があるでしょうか。
すぐに思い浮かぶのは預貯金でしょう。金利はほぼゼロですが口座から引き出してすぐに利用できるお金として、将来にわたっても蓄えておく欠かせないものです。
もうひとつの方法が投資です。私的年金の運用手段のひとつにもなっている投資ですが、iDeCoではすべての投資を扱っているわけではありません。株式投資やFXなどのハイリスク・ハイリターンの商品や、金(ゴールド)、現物の建物などに投資する不動産投資などのミドルリスク・ミドルリターンの商品などもあります。
投資の基本方針は、「長期・分散・積立」といわれています。税制面で優遇措置のあるNISAやつみたてNISAも活用できますし、分散の方法として、iDeCoやNISAには含まれていない商品への投資も選択肢のひとつとなります。