目次
フリーランスの任意保険は「自分の力では避けられないリスク」をカバーすべき
保険の比較で重要なのは「給付内容と保険料のバランス」

フリーランスの任意保険は「自分の力では避けられないリスク」をカバーすべき

齊藤:

盆子原さんの考え方は分かったのですが、自分がどの種類の保険に加入するべきかイマイチ判断に困ります。自分に必要な保険はどう選んだらいいのでしょうか?

盆子原:

私どもは、まずお客様に自身の国民健康保険などの公的保障の内容をしっかりと理解してもらうことが重要だと考えています。国民皆保険制度は、保険のプロから見ても素晴らしい制度です。しかし、多くの人は意外とその詳細を知りません。

国民皆保険制度でどこまでのリスクがカバーできるのか、足りない部分はどこなのかを認識してもらい、過不足のない形で保険を選んでいただければと思います。

齊藤:

なるほど! ただ、フリーランスの場合、「明日突然大きな継続案件がなくなるかも……」「怪我や病気で働けなくなったら収入ゼロ」など、懸念されるリスクを挙げればキリがないですよね。私たちはどこまでリスクに備えるべきですか?

盆子原:

おっしゃる通り、確かにリスクは無限大です。そして、リスクをすべて保険でまかなうことはほぼ不可能。そう考えたとき、まず自分の力だけでは絶対に避けられないリスクをカバーすることをおすすめします。

たとえば病気や怪我による入院にともなう収入の減少は、自分だけではどうにもならないですよね。その意味で、所得保障保険は優先度が高いと思います。

保険の比較で重要なのは「給付内容と保険料のバランス」

齊藤:

保険商品はじつに多くの会社から提供されていますが、それらを比較するうえで重要なのはどんな点ですか? 個人的には、つい保険料の額ばかり見てしまいます……。

盆子原:

保険料ばかり見てしまう方は、たしかに多いです。その理由は、やはり保険が「形のない商品」だからでしょう。車や家のように形として目に見えるものではないので、一番分かりやすい保険料に目がいく傾向にあります。

しかし、大切なのは保険料だけではなく、「保障内容と保険料が見合っているか」。自分のライフプランで想定されるリスクを洗い出し、そのうえで保障内容が自身の希望に合致しているか、保障内容と保険料が見合っているかを考えていきましょう。

齊藤:

つまり、保険とは「自分にとって本当に必要な保障は何か」を突き詰めて選ぶ必要があるわけですね。

盆子原:

はい。先ほども言ったように、日本には公的保障がありますので、自分のライフプランとギャップがある部分を見つけ、保障内容と保険料のバランスを考えながらどこまでのリスクに備えるかを判断すればいいと思います。