リボ払い常用のリスクを可視化する

リボ払い利用分の支払い方法には、「定額方式」と「残高スライド方式」がある。前者は定額の支払金額プラス手数料を毎月支払い、後者は利用残高の総額に応じて月々の支払額が増減し、そこに手数料がプラスされる。

ショッピングリボの金利(年利)は15%に設定しているカード会社が多く、毎月の手数料は利用残高にこの金利を掛け、それを12(12ヵ月)で割ると算出できる。例えば、10万円の利用残高があるなら手数料は【10万円×15%÷12=1,250円】となり、これが月ごとの支払額に上乗せされる。

リボ払いのシミュレーション

ここで、前年12月にリボ払いで30万円の商品を購入したケースで、毎月の支払額をそれぞれ5万円、3万円、1万円に設定した場合の支払いシミュレーションをしてみよう。なお、金利(年利)は15%とする。

《毎月5万円を支払った場合》
定額支払額 手数料 利用残高
1月 5万円 3,750円 25万円
2月 5万円 3,125円 20万円
3月 5万円 2,500円 15万円
4月 5万円 1,875円 10万円
5月 5万円 1,250円 5万円
6月 5万円 625円

毎月5万円を支払う場合、手数料の総額は1万3,125円、支払総額は31万3,125円となる。

《毎月3万円を支払った場合》
定額支払額 手数料 利用残高
1月 3万円 3,750円 27万円
2月 3万円 3,375円 24万円
3月 3万円 3,000円 21万円
4月 3万円 2,625円 18万円
5月 3万円 2,250円 15万円
6月 3万円 1,875円 12万円
7月 3万円 1,500円 9万円
8月 3万円 1,125円 6万円
9月 3万円 750円 3万円
10月 3万円 375円

毎月3万円を支払う場合、手数料の総額は2万625円、支払総額は32万625円となる。

《毎月1万円を支払った場合》
定額支払額 手数料 利用残高
1月 1万円 3,750円 29万円
2月 1万円 3,625円 28万円
3月 1万円 3,500円 27万円
4月 1万円 3,375円 26万円
5月 1万円 3,250円 25万円
6月 1万円 3,125円 24万円
7月 1万円 3,000円 23万円
8月 1万円 2,875円 22万円
9月 1万円 2,750円 21万円
10月 1万円 2,625円 20万円
11月 1万円 2,500円 19万円
12月 1万円 2,375円 18万円
翌年1月 1万円 2,250円 17万円
翌年2月 1万円 2,125円 16万円
翌年3月 1万円 2,000円 15万円
翌年4月 1万円 1,875円 14万円
翌年5月 1万円 1,750円 13万円
翌年6月 1万円 1,625円 12万円
翌年7月 1万円 1,500円 11万円
翌年8月 1万円 1,375円 10万円
翌年9月 1万円 1,250円 9万円
翌年10月 1万円 1,125円 8万円
翌年11月 1万円 1,000円 7万円
翌年12月 1万円 875円 6万円
翌々年1月 1万円 750円 5万円
翌々年2月 1万円 625円 4万円
翌々年3月 1万円 500円 3万円
翌々年4月 1万円 375円 2万円
翌々年5月 1万円 250円 1万円
翌々年6月 1万円 125円

毎月1万円を支払う場合、手数料の総額は5万8,125円、支払総額は35万8,125円となる。

以上のシミュレーションからも、月々の支払い負担を軽くすると支払総額が高くつくことがよく分かる。

新たにリボ払いでの購入があると利用残高の総額がその分だけ増えるので、そのことも念頭に置いておきたい。

毎月10万円の利用分をリボ払いとし、毎月の定額の支払いを5万円に設定した場合のシミュレーションを次に紹介しよう。金利(年利)は先に同じく15%。前年12月からリボ払いの利用を開始したものとする。

《毎月10万円リボ払いで購入し、毎月5万円を支払った場合》
定額支払額 手数料 利用残高
1月 5万円 1,250円 15万円
2月 5万円 1,875円 20万円
3月 5万円 2,500円 25万円
4月 5万円 3,125円 30万円
5月 5万円 3,750円 35万円
6月 5万円 4,375円 40万円
7月 5万円 5,000円 45万円
8月 5万円 5,625円 50万円

ここでは、利用残高が50万円に達したところまでのシミュレーションとした。利用限度額が50万円であれば、この段階でもうカードショッピングはできないことになる。

利用限度額がより高額な場合でも、毎月の利用金額より支払金額が下回っている限り、利用残高は増え続け、いつかは利用限度額に達する。「リボ払い=危険」とは断言できないが、リボ払いの常用がハイリスクであることは間違いない。